【日本SF大賞受賞】
1948年。戦後のパリで、シュルレアリスムの巨星アンドレ・ブルトンが再会を約した、名もない若き天才。彼の剏りだす詩は麻薬にも似て、人間を異界に導く途方もない力をそなえていた……。時を経て、その詩が昭和末期の日本で翻訳される。そして、ひとりまたひとりと、読む者たちは詩に冒されていく。言葉の持つ魔力を描いて読者を翻弄する、川又言語SFの粋。著者あとがき=川又千秋
*第5位『本の雑誌増刊・おすすめ文庫王国2007年度版』ジャンル別ベスト10・SF(大森望氏選)
川又千秋
(カワマタチアキ )1948年北海道小樽市生まれ。慶應義塾大学卒業。1971年「バラードはどこへいくか」で評論家デビュー、1972年「舌」で作家デビュー。1981年『火星人先史』で第12回星雲賞を、1984年『幻詩狩り』で第5回日本SF大賞を受賞。 他の作品に『反在士の指環』、《ラバウル烈風空戦録》シリーズ、評論集『夢の言葉・言葉の夢』などがある。