南太平洋に浮かぶ絶海の孤島キャスパック。そこは百万年前の恐竜時代さながらの世界だった。この島にたどり着いたアメリカ青年ボウエンは、襲い来る太古の怪獣や有翼人間と戦いながら脱出の機会をうかがっていた。ある日、彼は島を支配する不可解な進化の法則に気づく。どうやら脱出の成否は、その謎をとくことにかかっているらしい。ロストワールド三部作を全一巻に合本した。
E・R・バローズ
アメリカの作家。1875年生まれ、1950年歿。1912年、読物雑誌に掲載された処女長編 (後の『火星のプリンセス』) 以降書きつがれた《火星シリーズ》11巻は圧倒的な人気を博し、スペース・オペラ全盛の幕が切って落とされた。爾来、《金星》《ペルシダー》《ターザン》などのシリーズで、義に厚く情に弱い美男の英雄と絶世の美女を配し、全世界で今なお変わらぬ支持を得ている。
厚木淳
(アツキジュン )1930年、東京日本橋に生まる。1953年、京都大学卒業。東京創元社取締役編集部長を経て、翻訳家。訳書に、火星シリーズをはじめとする、東京創元社より刊行のバローズ全作品、クリスティ『晩餐会の13人』『ポワロの事件簿1,2』、ほか多数がある。2003年歿。