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英国では奇妙なことに幽霊が居着いている物件ほど高く評価される傾向にある。殺人や凶事が起きた建物を巡る趣味もあり、幽霊は現在でも英国人の親しき隣人である。僧院屋敷、領主屋敷、高級邸宅、灯台など様々な建物を舞台とする怪異譚を集成する本書には、ポオ風のゴシック物語から推理小説風の逸品、実話風怪談にゴーストハントものなど多彩な13編を収録する。本邦初訳作多数。編者あとがき=夏来健次
エマ・ホワイトヘッド 「幽霊屋敷」
マーガレット・ヴァーン 「幽霊屋敷」
シャーロット・リデル 「開いた扉」
マーガレット・オリファント 「開いた扉」
ウィリアム・マッドフォード 「ブレイクスリー屋敷の幽霊談議」
アンドルー・ラング 「奇談の屋敷」
J・E・プレストン・マドック「バロカン屋敷の幽霊」
J・E・プレストン・マドック「ライスリップ僧院屋敷の幽霊」
チャールズ・オリア 「パディントン領主屋敷の幽霊」
ダドリー・コステロ 「ヨークシャーの幽霊屋敷」
フランシス・ブラウン 「農場屋敷の幽霊」
チャールズ・F・F・ウッズ 「岩礁の幽霊灯台」
アーサー・コナン・ドイル 「ゴアズソープ屋敷の幽霊選び」
アーサー・コナン・ドイル
1859年イギリス生まれ。開業医をしていたがはかばかしくなく、生活のために筆をとり、1887年発表の『緋色の研究』で名探偵シャーロック・ホームズを創造。1891年から〈ストランド・マガジン〉に連載したホームズが登場する短編で圧倒的な人気を集め、一躍作家的地位を確立した。また、チャレンジャー教授の活躍する『失われた世界』等のSF、『勇将ジェラールの回想』等の歴史小説にもすぐれた作品を残し、それぞれの分野の古典として今なお愛読されている。1930年没。
アンドルー・ラング
スコットランドのセルカーク生まれ。民俗学者、作家、編集者。スコットランドのセント・アンドリューズ大学、グラスゴー大学をへてオックスフォード大学へ移り、同大学マートン・カレッジの特別研究員になる。のちにロンドンでジャーナリストとして活躍、ロングマン社の編集顧問に。この〈アンドルー・ラング世界童話集〉に代表される昔話の蒐集再話のほか、翻訳や詩集、創作童話「プリジオ王子」(富山太佳夫+富山芳子編 青土社『幸福な王子』所収)、伝記、それに多数のエッセイや書評記事も書いた。日本では『書斎』(生田耕作訳、白水社刊)、『書物と愛書家』(不破有理訳、図書出版社刊)などが訳されている。
夏来健次
(ナツキケンジ )1954年新潟県生まれ。主な訳書にスティーヴンスン『ジキル博士とハイド氏』、ホジスン『幽霊狩人カーナッキの事件簿』、レノルズ『人狼ヴァグナー』、編書に『英国クリスマス幽霊譚傑作集』、共編書に『吸血鬼ラスヴァン』などがある。