日本史の闇に君臨する美しき〈鬼〉たちの系譜、とりわけ王朝期に畏怖された、鬼族の王〈酒呑童子〉と眷属たちの物語は、いまも語り継がれている。そんな鬼たちの伝説を愛してやまない作家・加門七海と霜島ケイによる対談を始め、鬼退治のスペシャリスト〈源氏〉一統の伝説の書である「剣巻」(『平家物語』より)の現代語訳+原文などを収めた本書は、〈鬼〉文学入門書といえよう。編者あとがき=東雅夫
芥川龍之介「桃太郎」
筒井康隆「桃太郎輪廻」
加門七海×霜島ケイ「対談 桃太郎なんて嫌いです。」
霜島ケイ「鬼の実」
加門七海「鉢の木」
菊地秀行「大江山異聞鬼童子(きどうじ)」
「第三章 戻り橋邂逅」
「第四章 土蜘蛛陰陽篇」
野坂昭如「酒呑童子(『お伽草子』より」
巌谷小波・黒田湖山共編「大江山続話」
高橋克彦「視鬼」
馬場あき子「女と鬼」
加門七海(現代語訳)東雅夫(原文翻刻)「『平家物語』より剣巻」
東雅夫
(ヒガシマサオ )1958年神奈川県生まれ。早稲田大学卒。文芸評論家、アンソロジスト。『幻想文学』と『幽』の編集長を歴任。著書に『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)、『百物語の怪談史』ほか、編纂書に『日本怪奇小説傑作集』全三巻(紀田順一郎と共編)、『文豪妖怪名作選』『猫のまぼろし、猫のまどわし』ほか多数がある。