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チャーチルやロイド・ジョージとともに、若くして大臣に抜擢された新進政治家ストラフォード。晩年このマデイラで綴った大部の回顧録の中で、彼は確たる理由もなく婚約者に去られ、閣僚を外された経緯を記していた。マーチンはいにしえの謎に踏み入るが……。埋もれていた絶望、悪意、偽りを焙り出す、巧緻な物語の顛末は?
ロバート・ゴダード
イギリスの作家。1954年生。ハンプシャー州に生まれ、ケンブリッジ大で歴史を専攻後、公務員をへて、一九八六年に小説の醍醐味れるデビュー作『千尋の闇』を上梓。特に初期長編の幾重にも折り畳まれたような変幻自在の物語の妙味は比類がないが、『永遠に去りぬ』ではこれに人生の苦みが加わり、味わいは深みを増した。当代随一の語り部として今後も目が離せそうにない。