リー・スローカム検死官が、ふたたび検死審問をおこなうことになった。今回の案件は、火事に巻きこまれて焼死したとおぼしき作家ティンズリー氏の一件。念願の陪審長に抜擢され、大いに張り切るうるさがたのイングリス氏は、活発に意見を述べ、審問記録に注釈を加え、さらには実地検分に出かける気合いの入れよう。はたして、いかなる評決が下るのか。傑作『検死審問』の続編登場。解説=西上心太
*第2位『2010本格ミステリ・ベスト10』/海外ランキング
*第7位『IN★POCKET』2009年文庫翻訳ミステリーベスト10/翻訳家&評論家部門
越前敏弥
(エチゼントシヤ )1961年生まれ、東京大学文学部卒業。英米文学翻訳家。ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』『オリジン』、エラリイ・クイーン『災厄の町』『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』、フレドリック・ブラウン『真っ白な嘘』『不吉なことは何も』など訳書多数。主な著書に『翻訳百景』『文芸翻訳教室』『この英語、訳せない!』などが、共著に『シートン動物記で学ぶ英文法』などがある。