ベルリン・ミステリ賞受賞作シリーズ
警官に仲間を殺され、復讐を誓う窃盗犯の少女。アメリカの殺し屋はベルリン来訪の目的を明かさず、対立する犯罪組織は相手方がこの危険人物を招いたのではないかとパニックに。そんな中で、無理難題を次々と抱えていくベルリン警視庁のラート警部と恋人チャーリー。激動の時代背景を巧みに織り込みながら、抜群のストーリーテリングで読者を強烈に牽引する、警察小説の白眉! 訳者あとがき=酒寄進一
フォルカー・クッチャー
1962年ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州のリンドラール生まれ。ヴッパータール大学とケルン大学でドイツ文学、哲学、歴史学を専攻。新聞編集者として活動したあと、作家活動を開始。1995年、Bullenmord(クリスチャン・シュナルケとの合作)でデビュー。2007年にゲレオン・ラート・シリーズ第一弾の『濡れた魚』を発表。同シリーズでベルリン・ミステリ賞を受賞する。
酒寄進一
(サカヨリシンイチ )ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書として、2012年本屋大賞翻訳小説部門第1位に選ばれたシーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞を受賞したコルドン〈ベルリン三部作〉、ヘッセ『デーミアン』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、ケストナー『終戦日記一九四五』、ノイハウス『友情よここで終われ』、ザルテン『バンビ――森に生きる』などがある。