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映画が喋りはじめた1930年のベルリンで、将来を嘱望されていた女優が撮影中に痛ましい死を遂げた。事故で片付けようとする上司に反発し、ベルリン警視庁殺人課のはみ出し者ラート警部は、またもや独自に動きだす。刑事としての矜持ゆえ、さらには自らの栄達のため。光と影が交錯する映画界と巨大都市を、ラートは東奔西走するが……。ベルリン・ミステリ賞受賞の傑作警察小説。
フォルカー・クッチャー
1962年ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州のリンドラール生まれ。ヴッパータール大学とケルン大学でドイツ文学、哲学、歴史学を専攻。新聞編集者として活動したあと、作家活動を開始。1995年、Bullenmord(クリスチャン・シュナルケとの合作)でデビュー。2007年にゲレオン・ラート・シリーズ第一弾の『濡れた魚』を発表。同シリーズでベルリン・ミステリ賞を受賞する。
酒寄進一
(サカヨリシンイチ )ドイツ文学翻訳家。和光大学教授。主な訳書に、コルドン〈ベルリン三部作〉、ヘッセ「デーミアン」、フォン・シーラッハ「犯罪」「神」、ノイハウス「深い疵」「友情よここで終われ」、カシュニッツ「その昔、N市では」などがある。