2014年カリフォルニアで解体予定の家から発見された貴重品箱。そのなかには三つのものが入っていた。1945年に刊行されたパルプ・スリラー。編集者からの手紙。そして、軍支給の便箋に書かれた『改訂版』と題された原稿……。開戦で反日感情が高まるなか、作家デビューを望んだ日系青年と、編集者のあいだに何が起きたのか? 驚愕の結末が待ち受ける、凝りに凝った長編ミステリ! 解説=村上貴史
ゴードン・マカルパイン
カリフォルニア州出身の作家。20代の頃にゲーム開発や映画・テレビのシナリオ執筆に携わったのち、1989年にJoy in Mudvilleで作家デビュー。その後、ダシール・ハメットが主人公のHammett Unwritten(Owen Fitzstephen名義)、エドガー・アラン・ポオの子孫の双子が主人公の三部作“The Misadventures of Edgar and Allan Poe”など、話題作を次々と発表。現在は妻とともに南カリフォルニアに暮らす。
古賀弥生
(コガヤヨイ )東京女子大学文理学部英米文学科卒。ブラッドリー『パイは小さな秘密を運ぶ』『人形遣いと絞首台』『水晶玉は嘘をつく?』、ナイト『夏の沈黙』、マカルパイン『青鉛筆の女』など訳書多数。