ジャック・C・ライアンは令状送達人。裁判所の書類を、指定された相手に配るのが仕事だ。そんな彼がちょっとしたこづかい稼ぎのつもりで引き受けた、ロバート・リアリーなる男を探す一件。この、簡単に思えた人探しを、悪党どもや美女が引っかき回し、ライアンは窮地に追いこまれていく……。犯罪小説の巨匠が、デトロイトを舞台に〈レナード・タッチ〉で描く、食えない連中の物語。解説=直井明
田口俊樹
(タグチトシキ )1950年生まれ、早稲田大学第一文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書、D・ハメット「血の収穫」、R・マクドナルド「動く標的」、R・チャンドラー「長い別れ」、B・テラン「その犬の歩むところ」、L・ブロック「死への祈り」他多数。