ママンが死んだ。唇の間から突き出た舌は真っ黒。それに喉のまわりの変な筋。パパはずっと前に死んでるから、皆にこのこと知られたら寄宿学校に入れられちゃう。どうしよう……十一歳の双児の小さな姉弟は一所懸命考える。だが、彼らの母親を殺害した当の犯人は気が気ではなかった! 〈恐るべき子どもたち〉の異色ミステリ。
荒川浩充
(アラカワヒロミツ )1931年、東京生まれ。1956年、埼玉大学文理学部卒業。主な訳書に、アルレー「剣に行き、剣に斃れ」、ヴェルヌ「海底二万里」「十五少年漂流記」、ベルマン「顔のない告発者」ほか多数。