たった一枚のビンゴ・カード、百貨店で働くサンタの付けひげ、金属製の錆びた栞……価値のないものだけを盗む、世界で唯一の怪盗ニック・ヴェルヴェット。年齢は重ねても、その手腕はいっこうに衰えを知らない。商売敵の泥棒を助け名警部と対決したり、ニックの偽者が現われたり等、長寿シリーズならではの趣向も楽しめる文庫版全集第5弾、本邦初訳の9編を含む全14編を収録。解説=木村仁良
「クリスマス・ストッキングを盗め」
「マネキン人形のウィッグを盗め」
「ビンゴ・カードを盗め」
「レオポルド警部のバッジを盗め」
「幸運の葉巻を盗め」
「吠える牧羊犬を盗め」
「サンタの付けひげを盗め」
「禿げた男の櫛(くし)を盗め」
「消印を押した切手を盗め」
「二十九分の時間を盗め」
「蛇使いの籠(かご)を盗め」
「細工された選挙ポスターを盗め」
「錆(さ)びた金属栞(しおり)を盗め」
「偽の怪盗ニックを盗め」
エドワード・D・ホック
アメリカの作家。1930年ニューヨーク州生まれ。1955年、雑誌にサイモン・アークもの第1作となる短編「死者の村」が掲載されデビュー。以降50年以上にわたり、短編ミステリの第一人者として活躍し続けた。サイモン・アーク、怪盗ニック・ヴェルヴェット、レオポルド警部やサム・ホーソーン医師など、多種多彩なキャラクターを起用して謎解きの醍醐味を満喫させる作風は本国でも高く評価され、2001年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)生涯功労賞を受賞したほか、数々の栄誉に輝いている。2008年没。