ノルウェー本屋大賞受賞作
ノルウェーの森の奥で老女が殺害される。被害者の左目には鍬(くわ)が突き刺さっており、精神病院に入院中の青年エリケが現場で目撃されていた。捜査陣を率いるセイエル警部は、エリケを犯人と決めつける者たちの偏見に左右されず、冷静に証言を集めていく。だが信じがたい事実が判明。エリケは銀行強盗に巻きこまれ、逃走する強盗犯の人質になっていた。ガラスの鍵賞受賞作家の代表作。解説=ヘレンハルメ美穂
カーリン・フォッスム
1954年ノルウェー生まれ。1974年に詩集Kanskje i morgenでデビューし、ノルウェー作家協会がその年のもっともすぐれた文芸デビュー作に与えるタリエイ・ヴェースオース新人賞を受賞。初めてのミステリは、1995年刊行のコンラッド・セイエル警部を主人公としたシリーズの第一作Evas øye。二作目『湖のほとりで』で、ノルウェー推理作家協会(リヴァートン・クラブ)が選出する年間最優秀ミステリに与えられるリヴァートン賞と、北欧五か国のもっともすぐれたミステリに与えられるガラスの鍵賞を受賞。シリーズ三作目の『晴れた日の森に死す』で、ノルウェー書籍販売業者協会の大賞を受賞した。〈セイエル警部〉シリーズは現在12作に及び、2014年刊行の最新作Helvetesildenが再度リヴァートン賞に輝いた。