狙撃者は黄色の眼を持つ女。アニカは殺された選考委員の事務局長キャロリーンの死の瞬間が忘れられなかった。事件を目撃していながら、記事にできないジレンマ。新聞社から休職を言い渡された彼女は、選考委員会のあるカロリンスカ研究所を調べ始める。委員会のメンバー同士の確執、そして学生の不振な死。懸命に子育てをしながら新聞記者として事件を追うアニカ。ジャーナリストでもある著者が、ノーベル賞選考の舞台裏に迫る傑作。訳者あとがき=久山葉子
久山葉子
(クヤマヨウコ )1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒業。スウェーデン在住。主な訳書にペーション『許されざる者』、マークルンド『ノーベルの遺志』、カッレントフト『冬の生贄』、ランプソス&スヴァンベリ『生き抜いた私 サダム・フセインに蹂躙され続けた30年間の告白』などがある。