ストックホルムの市庁舎ではノーベル賞授賞晩餐会が開かれていた。取材に来ていた新聞記者アニカは、ダンスを踊っている最中にいきなり誰かに押されてつんのめる。何者かが発砲したのだ。受賞者は重傷、一緒に踊っていた選考委員会の事務局長は即死だった。狙撃のときもっとも近いところにいたのはアニカだったが、警察は彼女に情報開示の禁止を言い渡す。華やかなノーベル賞の陰に何が? スウェーデンのベストセラー作家の代表作。
久山葉子
(クヤマヨウコ )1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒業。スウェーデン在住。主な訳書にペーション『許されざる者』、マークルンド『ノーベルの遺志』、カッレントフト『冬の生贄』、ランプソス&スヴァンベリ『生き抜いた私 サダム・フセインに蹂躙され続けた30年間の告白』などがある。