2017年ナイオ・マーシュ賞受賞作
酒に溺れた末に事故で車いす生活となったフィンは、今まさにニュージーランドの南の果てで崖に宙吊りになっていた。隣家の不気味な三兄弟の長男に殺されかけたのだ。フィンは自分が引っ越してきたコテージに住んでいた少女が失踪した、26年前の未解決事件を調べており、三兄弟の関与を疑っていたのだが……。最後の最後まで読者を翻弄する、ナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作登場。訳者あとがき=安達眞弓/解説=吉野仁
*第8位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外篇
*第8位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇
フィン・ベル
1978年南アフリカ生まれ。法心理学の専門家として、南アフリカの裁判所や刑務所で被告人や受刑者の心のケアにあたっていた。その後ニュージーランドへ移住し、ウェリントンの刑務所で精神鑑定や受刑者のカウンセリングなどに従事する。2016年にパートナーとともに生活拠点を南島のダニーデンへと移し、専業作家としてのスタートを切る。2016年に『死んだレモン』(Dead Lemons(2019年にThe Killing Groundに改題))をAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシングで発表し、ナイオ・マーシュ賞新人賞を受賞した。その他の著作にOne Last Kill(旧題Pancake Money)、Good Hot Hate(旧題The Easter Make Believers)などがある。
安達眞弓
(アダチマユミ )英米文学翻訳者。主な訳書にシュナイアー「暗号技術大全」、デイリー「閉ざされた庭で」、アフォード「闇と静謐」、ディルツ「悪い夢さえ見なければ」「ペインスケール」、ベル「死んだレモン」など。