2011年1月。サンフランシスコの私立探偵クレアは、かつての恋人、ポールの死を知る。ギタリストの彼は自宅の居間で銃殺され、膨大なギターのコレクションのうち5本がなくなっていた。犯人の狙いは貴重なギターなのか? 想いを残したまま別れた相手が殺害され、極限まで自らを追い詰めて懸命に真実を追うクレア。『探偵は壊れた街で』で鮮烈な印象を残した女探偵の新たな苦闘。解説=久美沙織
サラ・グラン
1971年アメリカ、ブルックリン生まれ。作家になる前に書店員や古書販売などさまざまな職業を経験した。著書に Saturn’s Return to New York 、『私の悪魔』、『堕天使の街』などがあり、テレビドラマや映画の脚本も手がけている。『探偵は壊れた街で』は2011年に発表された4作目の長篇作品で、独特の世界観を持つ女性私立探偵クレア・デウィットを主人公としたシリーズの第1作。2012年マカヴィティ賞最優秀長篇賞、ドイツ・ミステリ大賞翻訳部門一位を獲得し、ハメット賞やシェイマス賞最優秀処女私立探偵小説賞の最終候補作にもなるなど高い評価を得た。2013年に続篇 Clair DeWitt and the Bohemian Highway を発表。
高山祥子
(タカヤマショウコ )1960年東京都生まれ。成城大学文芸学部卒業。訳書にバロン『世界一高価な切手の物語』、ドーソン『アメリカのシャーロック・ホームズ』、チャールズ『あの図書館の彼女たち』、フラド『リスボンのブック・スパイ』などがある。