全身をナイフで切り刻まれ、左手首のない女性教師の遺体が発見された。わたしは面識がないはずの被害者になぜか見覚えがあった。捜査が進むが、有益な物証や目撃情報がなく、手がかりを得るには己の記憶と向き合わなくてはならない。悪夢を見続けるほどの辛い記憶に──。家族を亡くした痛みを抱えるダニーと格闘技に秀でた相棒のジェン。支え合う男女刑事コンビを描く警察小説! 訳者あとがき=安達眞弓
タイラー・ディルツ
アメリカ、カリフォルニア州出身の作家。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で演技と監督学を専攻する。数年間俳優として活動したのち大学院に進み、現在は同校でクリエイティブライティングと犯罪小説論を教えている。LAタイムズなどに短編を発表しており、短編「悪党(ワル)──意味不明作用と自我の(脱)構築」が『ベスト・アメリカン・ミステリジュークボックス・キング』(早川書房)に収録されている。『悪い夢さえ見なければ』が長編デビュー作。
安達眞弓
(アダチマユミ )英米文学翻訳者。主な訳書にシュナイアー「暗号技術大全」、デイリー「閉ざされた庭で」、アフォード「闇と静謐」、ディルツ「悪い夢さえ見なければ」「ペインスケール」、ベル「死んだレモン」など。