ラッフルズホーノキセキ

ラッフルズ・ホーの奇蹟

アーサー・コナン・ドイル
北原尚彦西崎憲


ラッフルズ・ホーの奇蹟

ジャンル
海外ミステリ > 短編集
SF > 短編集
レーベル
創元推理文庫(M)
シリーズ
ドイル傑作集 5

判型:文庫判
ページ数:332ページ
初版:2011年12月22日

ISBN:978-4-488-10114-5
Cコード:C0197
文庫コード:M-ト-1-19

装画:影山徹
装幀:藤田知子


内容紹介

イングランド中部の片田舎、夜を日に継いで建造なった大邸宅に住まうのは、世のため人のため巨富を蕩尽し無限の慈悲を垂れる謎の大富豪ラッフルズ・ホー。人は金銭と科学の力によって幸福になれるのか。友人となったマッキンタイア家の兄妹を核にホーの身辺で起こる悲喜劇を描く表題作に始まり、文明を嗤うかのごとき「ロスアミゴスの大失策」や、好対照を見せる復讐譚「シニョール・ランベルトの引退」「新発見の地下墓地」など、八編を収める。空想科学の趣向を味わう、ドイル・コレクション第五集。解説=北原尚彦


目次

「ラッフルズ・ホーの奇蹟」
「体外遊離実験」
「ロスアミゴスの大失策」
「ブラウン・ペリコード発動機」
「昇降機」
「シニョール・ランベルトの引退」
「新発見の地下墓地,危険!」


アーサー・コナン・ドイル

1859年イギリス生まれ。開業医をしていたがはかばかしくなく、生活のために筆をとり、1887年発表の『緋色の研究』で名探偵シャーロック・ホームズを創造。1891年から〈ストランド・マガジン〉に連載したホームズが登場する短編で圧倒的な人気を集め、一躍作家的地位を確立した。また、チャレンジャー教授の活躍する『失われた世界』等のSF、『勇将ジェラールの回想』等の歴史小説にもすぐれた作品を残し、それぞれの分野の古典として今なお愛読されている。1930年没。


北原尚彦

(キタハラナオヒコ )

1962年東京都生まれ。青山学院大学理工学部物理学科卒。作家、評論家、翻訳家。日本推理作家協会員。横田順彌、長山靖生、牧眞司ら各氏を擁する日本古典SF研究会では会長をつとめる。〈本の雑誌〉ほかで古書関係の研究記事を長年にわたり執筆。主な著作に、短編集『首吊少女亭』(出版芸術社)ほか。古本エッセイに『SF奇書天外』『SF奇書コレクション』(東京創元社)、『シャーロック・ホームズ万華鏡』(本の雑誌社)、『新刊!古本文庫』『奇天烈!古本漂流記』(以上、ちくま文庫)など、またSF研究書に『SF万国博覧会』(青弓社)がある。主な訳書に、〈ドイル傑作集〉全5巻(共編・共訳、創元推理文庫)、ミルン他『シャーロック・ホームズの栄冠』(論創社)ほか多数。


西崎憲

(ニシザキケン )

1955年青森県生まれ。作曲家、翻訳家、作家、アンソロジスト。2002年に『世界の果ての庭』で第14回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し作家デビュー。主な編訳書に『短篇小説日和 英国異色傑作選』『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』、主な訳書としてチェスタトン『四人の申し分なき重罪人』、コッパード『郵便局と蛇』、バークリー『第二の銃声』、『ヴァージニア・ウルフ短篇集』がある。著書に『世界の果ての庭』、歌集『ビットとデシベル』(フラワーしげる名義)など。15年には日本翻訳大賞を創設したほか、16年より文学ムック「たべるのがおそい」の編集長を務めるなど、多様な活動を展開している。