シンヤノハクランカイ

深夜の博覧会

  【単行本版】

昭和12年の探偵小説

辻真先


深夜の博覧会

ジャンル
国内ミステリ > ミステリ

判型:四六判上製
ページ数:350ページ
初版:2018年8月24日

ISBN:978-4-488-02790-2
Cコード:C0093

装画:旭ハジメ
装幀:石松経章(Keisyo事務所)


内容紹介

昭和12年(1937年)5月、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家になる夢を追いかける那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いてほしいというのだ。華やかな博覧会を楽しむ最中、一報がもたらされた殺人事件。名古屋にいた女性の足だけが東京で発見された!? 同時に被害者の妹も何者かに誘拐され──。名古屋と東京にまたがる不可解な謎を、那珂少年はどんな推理を巡らせて解くのか? 空襲で失われてしまった戦前の名古屋の町並みを、総天然色風味で描く長編ミステリ。

※名古屋汎太平洋博覧会とは
昭和12年(1937年)3月15日から5月31日まで、名古屋市主催のもと開催された博覧会。29の国と地域のパビリオンから成る戦前の日本最大規模の国際博覧会として、480万人以上の客を集めた。その一人が、幼き日の辻真先である。
しかし、“平和”を謳ったためか、東京などではほとんど報道されなかったという。この博覧会から2カ月足らずのうちに、日本は長い戦争の時代へと突入していく──。


辻真先

(ツジマサキ )

1932年愛知県生まれ。名古屋大学卒。NHK勤務後、『鉄腕アトム』『サザエさん』『サイボーグ009』『デビルマン』『Dr.スランプ アラレちゃん』など、アニメや特撮の脚本家として幅広く活躍。72年『仮題・中学殺人事件』でミステリ作家としてデビュー。現在でもTVアニメ『名探偵コナン』の脚本を手掛けるほか、大学教授として後進の指導にあたっている。82年『アリスの国の殺人』が第35回日本推理作家協会賞を、2009年に牧薩次名義で刊行した『完全恋愛』が第9回本格ミステリ大賞を受賞。19年に第23回日本ミステリー文学大賞を受賞。20年刊行の『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』は、年末ミステリランキング3冠を達成する。