特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところが航行試験中に、閉鎖状況の艇内でメンバーの一人が死体となって発見される。さらに、自動航行システムが暴走し、彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。脱出する術もない中、次々と犠牲者が……。21世紀の『そして誰もいなくなった』登場! 選考委員絶賛、精緻に描かれた本格ミステリ。第26回鮎川哲也賞受賞作。
市川憂人
(イチカワユウト )1976年神奈川県生まれ。東京大学卒。在学時は文芸サークル・東京大学新月お茶の会に所属。2016年、『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は各種年末ミステリベストにランクインし、話題を呼んだ。他の著書に『ブルーローズは眠らない』『グラスバードは還らない』『ボーンヤードは語らない』『ヴァンプドッグは叫ばない』『神とさざなみの密室』『揺籠のアディポクル』『断罪のネバーモア』『灰かぶりの夕海』がある。