ミズノナカヒカリノソコ

水の中、光の底

平田真夫


水の中、光の底

ジャンル
SF > 連作短編集

判型:四六判仮フランス装
ページ数:248ページ
初版:2011年3月25日

ISBN:978-4-488-02469-7
Cコード:C0093

装画:YOUCHAN(トゴル・カンパニー)
装幀:岩郷重力+Wonder Workz。


内容紹介

梶尾真治氏推薦――「文字で描いた異世界のスケッチ 浸りたい、浸り続けていたい、という空想世界が確かにここにある」

水と光をモチーフに描かれる10の世界…… ◆赴任した先の地方の街の高校には、校庭の中央に路面電車の終着駅があり、◆ワイン片手にボートで夜の海へ漕ぎ出すと、月を隠した雲が凝集をはじめ、◆酒場の地下深く、小さな部屋に穿たれた四角い水面は、そこにしかないという「海」であり、◆全面硝子張りのカフェでは、街が大雨で水没して帰れなくなった男女が時間をつぶし、◆炎天下で咽の渇きを癒そうと入った小さな店には三匹の猿がいて奇妙な行動を起こし……etc.
少しずつ重なり合った10の物語世界を一人の酒場の主人がつなぐ、ノスタルジックな、日常のSF幻想。


目次

「一 循環――夜の車窓」
「二 曇天――月の実り」
「三 雲海――光の領分」
「四 空洞――掘る男」
「五 潮騒――矩形の海」
「六 水槽――Craspedacusta Sowerbii」
「七 分銅――達磨さんが転んだ」
「八 立春――山羊の啼く渓谷」
「九 公園――都市のせせらぎ」
「〇 車軸――遠い響き」



平田真夫

(ヒラタマサオ )

1958年1月6日、東京都生まれ。83年、東京工業大学大学院理工学研究科化学専攻修士修了。在学中は東京工業大学SF研究会に所属。84年、日本SF大会EZOCON2主催の小説賞「エゾコンSFコンテスト」に「マイ・レディ・グリーン・スリーヴス」が入選し〈SFマガジン〉に掲載された。86年、小学館発行のパソコン雑誌〈ポプコム〉にアドベンチャーゲームを連載。87年には、森山安雄名義でゲームブック『展覧会の絵』(創元推理文庫)を発表。同書は当時刊行されていた社会思想社発行のゲームブック専門誌〈ウォーロック〉誌上で毎月開催された「読者による人気投票」の第1位を長らく獲得しつづけた。2011年3月発売の『水の中、光の底』は、文芸書での初めての書籍となる。