自分は未来人だと主張し、材料も資金も足りない刑務所内で未来に帰るためのタイムマシン製造に勤しむ受刑者のかなしい決断「未来への脱獄」、長く未解決だった数学予想の証明に取り憑かれた青年と、暗号解読に人生のすべてを捧げた宝探し人の行く末を追う「ひとを惹きつけてやまないもの」など全5編。
究極の選択を前にしたとき、人間はその魂を試される──人生の岐路でさまざまな“極限”に遭遇した人々が、自分の手で選びとる未来の物語。
「未来への脱獄」
「ひとを惹きつけてやまないもの」
「イヴの末裔たちの明日」
「まごうかたなき」
「方舟の座席」
松崎有理
(マツザキユウリ )1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著書に『シュレーディンガーの少女』『山手線が転生して加速器になりました。』『イヴの末裔たちの明日』などがある。
http://yurimatsuzaki.com/