新進気鋭の画家として将来を嘱望されていた日本人青年・不破の人生は、一枚の絵画によって狂わされた。この絵を超える作品を描くことは不可能──絶望から絵筆を折った不破はヨーロッパを流浪する。その後ある契機から、己の運命を変えた絵画《ユーディットXIII》がナチスに略奪されたことを知った不破は、英国軍情報部とつながる美術商による絵画奪還作戦に加わることに。だが、その作戦には英国首相チャーチルとドイツ国防軍内のー派が目論む極秘計画が隠されていた。故郷と矜持を奪われた男の戦いと再生を描く、小松左京賞受賞作家の新境地！

• 第二次世界大戦期のヨーロッパを舞台に贈る 歴史群像劇にして冒険小説の逸品