「トム」
夜中にかかってきた一本の電話、それは二十二年前に死んだはずの息子からのものだった。
「レイン」
亡くなった著名な作家の遺作には、母国語での出版を禁じ、翻訳出版のみを許可するという奇妙な条件が付されていた。
「親愛なるアグネスへ」
夫の葬式で久しぶりに会ったかつての親友、二人の交わす書簡はやがて……。
デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた全五編の傑作短編集。
「トム」
「レイン ある作家の死」
「親愛なるアグネスへ」
「サマリアのタンポポ」
「その件についてのすべての情報」
ホーカン・ネッセル
1950年生まれ。スウェーデンを代表するミステリ作家であり、その文学性は他の作家の追随を許さない。ファン・フェーテレン刑事部長シリーズ、バルバロッティ警部シリーズ、その他多くの短編・長編作品を書いている。1994年、1996年、2007年にスウェーデン推理作家アカデミーの最優秀賞、2000年にガラスの鍵賞を受賞した。
久山葉子
(クヤマヨウコ )1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒業。スウェーデン在住。主な訳書にペーション『許されざる者』、マークルンド『ノーベルの遺志』、カッレントフト『冬の生贄』、ランプソス&スヴァンベリ『生き抜いた私 サダム・フセインに蹂躙され続けた30年間の告白』などがある。