見捨てられた街ロンドンで、暗黒街の支配権をめぐり対立する二つの家が婚姻を結んだ。しかし、それは血塗られた惨劇の幕開けだった。愛と憎しみが渦巻く近未来の英雄叙事詩。 

見知らぬ街へ家出してきた少年と少女は、アナーキストを名乗る青年たちに拾われ、占拠された空き家で暮らすことに。見るもの総てが新しい――だが…… 

無一文で父親に捨てられ、川べりの寒村にやってきた少年が、耳のきこえない少女と出逢う。心ない噂が飛びかう村で、あまりにも違う境遇をこえ惹かれあう…… 

廃屋の暖炉を抜けて灯火管制下のイギリスへ、少年は跳んだ。味わう苦難と孤独、何より戦災孤児の少女メイとの忘れられない三日間が始まる。痛くて切ない珠玉の物語。