今や至尊の冠を戴く存在となったラインハルトを襲う暗殺事件。各処で暗躍する〈地球教団〉の差し金と知り、ラインハルトは彼らの聖地たる地球に軍を派遣する。一方、悠々自適の退役生活を楽しむヤンも、己の周囲に監視網が巡らされていることに気づく。やがてある日、彼の元を黒服に身を包んだ男たちが訪れた。一度は平穏の時を迎えた銀河は、再び動乱に呑まれようとしていた。解説=田原正利
田中芳樹
(タナカヨシキ )1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に…」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞を受賞。代表作に『創竜伝』『マヴァール年代記』『アルスラーン戦記』《薬師寺涼子の怪奇事件簿》シリーズの他、『ラインの虜囚』など著作多数。