ヘスターは砂漠に呑まれて消えた。以来抜け殻のようになってしまったトムだったが、彼の魂をゆさぶり起こしたのは、飛行商人として訪れた街で見かけた、故郷ロンドンの知り合いの姿だった。慌てて声をかけたが、相手は人違いだという。間違いないはずなのに何故? 廃墟となったはずのロンドンに何かが隠されているのではと思ったトムは、娘レンを伴い若き軍人ヴォルフと共にロンドンを目指す。見捨てられた地で彼らを待つものは?
フィリップ・リーヴ
1966年英国生まれ。イラストレーターとして活躍していたが、子どものころに読んだ『指輪物語』や〈ナルニア国物語〉が忘れられず、自らも創作の筆をとる。デビュー作『移動都市』が大評判になり、英国のネスレ・スマーティーズ賞などいくつもの賞を受賞。四作目にあたる『廃墟都市の復活』でガーディアン賞に輝いた。また『アーサー王ここに眠る』ではカーネギー賞を受賞。名実ともに英国を代表する作家のひとりとなる。