レン・ナッツワーシー15歳。かつての氷上都市アンカレジでの日常に物足りなさを感じていた彼女は、盗賊〈ロストボーイ〉の口車に乗せられて、図書館の本をこっそり持ち出した挙げ句、盗賊の本拠地に連れて行かれる羽目に。一方、愛娘を救わんと必死で後を追うトムとヘスターがたどり着いたのは、水上都市ブライトンだった。最終戦争後の遙かな未来、移動都市が互いを食い合う奇怪な世界を描いた星雲賞受賞作『移動都市』第三弾。 訳者あとがき=安野玲
フィリップ・リーヴ
1966年英国生まれ。イラストレーターとして活躍していたが、子どものころに読んだ『指輪物語』や〈ナルニア国物語〉が忘れられず、自らも創作の筆をとる。デビュー作『移動都市』が大評判になり、英国のネスレ・スマーティーズ賞などいくつもの賞を受賞。四作目にあたる『廃墟都市の復活』でガーディアン賞に輝いた。また『アーサー王ここに眠る』ではカーネギー賞を受賞。名実ともに英国を代表する作家のひとりとなる。