【世界幻想文学大賞受賞】
黄金の時代を謳歌するアルビオンの女王グローリアーナ。国民と貴族にあまねく慕われこの世の女神とうたわれながらも、心満たされることのない孤高の女。だが彼女に婚姻を求める他国との軋轢が宮廷に不穏な影を落としはじめる……。エリザベス朝を彷彿とさせる架空のロンドンを舞台に、英国幻想文学界の巨匠が放つ超大作。訳者あとがき=大瀧啓裕
マイケル・ムアコック
イギリスの作家。1939年生。17歳で雑誌編集者となり、のちには英国ニューウェーヴ運動の拠点となったSF専門誌〈ニュー・ワールズ〉の編集長も務めた。いくつも存在する異なる世界を舞台に、多彩なヒーローたちが壮大なドラマを繰り返し演じ続ける、という構想のシリーズ作品を多数発表し、中でもルーンの杖秘録《ブラス城年代記》は、その中核をなす絢爛たるヒロイック・ファンタジイである。
大瀧啓裕
(オオタキケイスケ )1952年、大阪市生まれ。著書に『魔法の本箱』『エヴァンゲリオンの夢』、訳書にラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』、ラッセル『悪魔の系譜』、スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』『ヒュペルボレオス極北神怪譚』『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』、オブライエン『金剛石のレンズ』、ウィルスン〈始末屋ジャック〉シリーズ他多数。