謎を秘めて妖しく輝く火星に、ガス状の大爆発が観測された。これこそは6年後に地球を震撼させる大事件の前触れだった。ある晩、人々は夜空を切り裂く流星を目撃する。だがそれは単なる流星ではなかった。巨大な穴を穿って落下した物体から現れたのは、V字形にえぐれた口と巨大なふたつの目、不気味な触手をもつ奇怪な生物――想像を絶する火星人の地球侵略がはじまったのだ!
かつてジョージ・パルが映画化し、スティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演で再度の映画化が果たされた傑作。初出誌〈ピアスンズ・マガジン〉の挿絵を精選、多数採録して贈る。訳者あとがき=中村融
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*映画『宇宙戦争』(1953年/ジョージ・パル監督)原作
*映画『宇宙戦争』(2005年/スティーヴン・スピルバーグ監督)原作
H・G・ウェルズ
1866年、英国イングランド生まれ。フランスのジュール・ヴェルヌと並んで「SFの父」とされる。代表作とされる「タイム・マシン」(1895)、『モロー博士の島』(1896)、『透明人間』(1897)、『宇宙戦争』(1898)、『月世界最初の人間』(1901)などをはじめ、現代SFの基礎となるアイデアの大半はウェルズが発案したものである。小説のみならず、歴史家としても『世界史概観』(1922)などの著作がある。社会活動家としても多くの業績を遺した。1946年没。
中村融
(ナカムラトオル )1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家。編著に「影が行く」「時の娘」「星、はるか遠く」、主な訳書にウェルズ「宇宙戦争」、ウィンダム「トリフィド時代」、ブラッドベリ「万華鏡」「何かが道をやってくる」ほか多数。