SF短編の名手ブラウンが描く奇想天外な話の数々。月に思いをよせるハツカネズミ、いとも善意に満ちた怪物ベムたち、ゴキブリの思念投射に惚れこんだ男、サンドウィッチの中の宇宙船など、奇抜な着想と豊かなファンタジーに彩られた全9編の物語の饗宴は、いかなSF嫌いの読者をもファンに変えてしまう不思議な魔力を持っている。
「緑の地球」
「一九九九年」
「狂った星座」
「ノック」
「すべて善きベムたち」
「白昼の悪夢」
「シリウス・ゼロは真面目にあらず」
「星ねずみ」
「さあ、気ちがいに」
フレドリック・ブラウン
1906年アメリカ生まれ。新聞社、雑誌社などに勤務のかたわら、執筆を開始。1947年刊行の『シカゴ・ブルース』で、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀新人賞を受賞。多くのミステリ、SF、ファンタジーを発表した。代表作は『真っ白な嘘』『不吉なことは何も』『通り魔』『不思議な国の殺人』『3、1、2とノックせよ』『未来世界から来た男』『天使と宇宙船』『スポンサーから一言』など。奇抜な着想と軽妙な話術で描くショートショートの名手。1972年没
中村保男
(ナカムラヤスオ )1931年生まれ。東京大学文学部英文学科卒業。英米文学翻訳家。翻訳研究・翻訳技術に関する著書も多数ある。2008年12月9日歿。