「ロンド」の名を冠した奇怪な個展はpart 3 まで開かれ、そのたびに学芸員・津牧は名画そっくりにしたて上げられた死体を目の当たりにしていた。犯人は死体でつくられた絵を撮影、それをもとに描いた絵を犯行声明のように美術雑誌に送りつけてきていた。そんななか津牧の恋人が姿を消す。そしてpart 4の案内状には奇妙な数字が並んでいた。数字に導かれて行き着いた謎めいた山荘で、彼はいったい何を知ることになるのか? 幻の絵画『ロンド』とはいかなる作品なのか? ミステリ作家・柄澤齊誕生の華麗なる記念碑! 解説=中条省平
*第2位 ミステリチャンネル「闘うベストテン2002」国内ミステリー編
柄澤齊
(カラサワヒトシ )1950年栃木県生まれ。現代日本の版画界を代表する一人。全版画作品集『柄澤齋木口版画集』、エッセイ集に『銀河の棺』などがある。2002年初のミステリ『ロンド』を刊行し話題となる。