長年の趣味が昂じて、ジグソーパズル連盟日本支部長を務めるまでになった興津華子。三興グループのオーナーでもある華子を皮切りに、麻布台の富豪興津家で三たび惨劇が起こる。事件に対するは二十一歳の法務省特別調査官。動機に囚われない論理的思考で謎を解く名探偵更科ニッキ初登場、読み応え充分の解決編が嬉しい純粋本格ミステリ。
平石貴樹
(ヒライシタカキ )1948年函館市生まれ。東京大学、同大学大学院に学ぶ。83年「虹のカマクーラ」で第7回すばる文学賞受賞。著書に『笑ってジグソー、殺してパズル』『だれもがポオを愛していた』『フィリップ・マーロウよりも孤独』『スラム・ダンク・マーダー その他』『サロメの夢は血の夢』『スノーバウンド@札幌連続殺人』『松谷警部と目黒の雨』等がある。