【『夜の国のクーパー』特設ページ公開中】
この国は戦争に負けたのだそうだ。占領軍の先発隊がやってきて、町の人間はそわそわ、おどおどしている。はるか昔にも鉄国に負けたらしいけれど、戦争に負けるのがどういうことなのか、町の人間は経験がないからわからない。人間より寿命が短いのだから、猫の僕だって当然わからない──。これは猫と戦争と、そして何より、世界の秘密のおはなし。どこか不思議になつかしいような/誰も一度も読んだことのない、破格の小説をお届けします。ジャンル分け不要不可、渾身の傑作。伊坂幸太郎が放つ、10作目の書き下ろし長編。著者あとがき=伊坂幸太郎
伊坂幸太郎
(イサカコウタロウ )1971年千葉県生まれ。2000年、『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビューする。04年、『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、短編「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞、08年には『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞および第21回山本周五郎賞を受賞。ほかの著書に『重力ピエロ』『砂漠』『モダンタイムス』『あるキング』『マリアビートル』『残り全部バケーション』『死神の浮力』『アイネクライネナハトムジーク』『火星に住むつもりかい?』などがある。また14年には『キャプテンサンダーボルト』で阿部和重との合作に挑み話題を呼んだ。