エラリー・クイーン
アメリカの作家。フレデリック・ダネイ(1905‐82)とマンフレッド・B・リー(1905‐71)の、いとこ同士による合同ペンネーム。1929年、出版社のコンテストに投じた長編『ローマ帽子の謎』でデビュー。同書を第一作とする〈国名シリーズ〉と、当初はバーナビー・ロス名義で発表されたドルリー・レーン四部作でミステリ界に不動の地位を得る。その後も作者と同名の名探偵が活躍する傑作をいくつも著し、ダネイは雑誌〈エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン〉で多数の作家を世に送り出したほか、ミステリ研究者、アンソロジストとしても功績を残した。「アメリカの推理小説そのもの」と評された、巨匠中の巨匠である。
倒産した発電会社の社長ソリー・スペイスがハリウッドの屋敷で殺された。彼は倒産にもかかわらず私腹を肥やし、欺かれた共同経営者や一般投資家から深い恨みを買っていたばかりか、……
いつでもどこでも、どこから読んでも楽しめる67編のショート・ショートを収めた、まさしくクイーン・サイズの一大パッケージ。
株で失敗した相場師のピストル自殺。その現場を見たという目撃者がいるにもかかわらず、検死医はそれを殺人だと断定した……。アリバイの明確な6人の容疑者たち……
エラリー・クイーンと、推理作家志望のニッキー・ポーターの名推理。殺された〈健康の家〉の主人の死体が、いつのまにか石膏の像に変わっていた不思議な事件……
エラリー・クイーンは、ボー・ランメルという青年探偵とともに私立探偵社を経営することになった。そこへ現われた億万長者は、事件を依頼するとともに多額の契約金を……
ニューヨークとフィラデルフィアの中間にあるあばら家で、正体不明の男が殺されていた。男は、いったい、どちらの町の誰として殺されたのか?
東京帝国大学教授の令嬢2人が、時を同じくして不可解な“自殺”を遂げた。しかも妹は、流行の花形作家。ニューヨークの心臓部に近い日本庭園のなかを駆けめぐる……
古いインディアン集落を背景に、異様な境遇をもつ2人の人物を登場させて、怪奇な殺人物語が展開される。エラリーの長い犯罪捜査の経験の中で、官憲の手を借りず独力快刀乱麻を断った最初の事件。
著名な出版業者の待合室で殺された身元不明の男。被害者の着衣をはじめ全てが“さかさま”だった。ニューヨーク・タイムズが「クイーンの最大傑作」と激賞。。密室殺人の卓抜な着想は、数多ある作品中でも特異の地位を占める。
サム警部のもとに現われた七色のひげの男が預けていった手紙の謎は? シェークスピアの古文書をめぐる学者たちの争いは、やがて発展して……
政界のボスとして著名な上院議員のまだ生温かい死体には、ナイフが柄まで刺さっていた。被害者のまわりには多くの政敵と怪しげな人物がひしめき……
靴作りで巨億の財をなして《靴の家》に住む、老婆と6人の子供たち。この一家に時代錯誤な決闘騒ぎが勃発、エラリーらの策も虚しく、奇妙な殺人劇へと発展する。“むかし、ばあさん……