アメリカの閑静な大学町に館を借りた心理学者ウェス・マーティンは、サヴァン症候群の若者たちが持つ能力の断片を集約し、大いなる“統合人格”を生み出すという研究をしていた。それぞれ豊かな個性を持つ被験者たちに翻弄されながらも、ウェスは目論みどおり統合人格フランキーを誕生させるが、時を同じくして、町では四十年前に起きた連続殺人を彷彿とさせる事件が発生する。
ジェイムズ・F・デイヴィッド
アメリカの作家、心理学者。オレゴン州にあるジョージフォックス大学の教授。SFやホラーのモチーフを、ミステリの筋立てで書くジャンルミックス的手法で長編作品を執筆。1995年、Footprints of Thunderでデビュー。邦訳書に『時限捜査』『叫びの館』、その他の作品にShip of The Damned、Judgment Dayなどがある。