新人の魔法管理官選びはまさしく困難をきわめていた。候補者たちはみな、ひと癖もふた癖もある連中ばかり。一方、コリフォニック帝国の皇位継承者捜しも難航していた。やっと居場所を突き止めたと思いきや、とたんに邪魔がはいる始末。幽霊となったスタンの手を借りて奮闘するルパート。すべての鍵となるのは、マジドの極秘事項のひとつ“バビロン”。英国の童謡「バビロンまでは何マイル」の唄にのせておくる、愉快なファンタジー。訳者あとがき=原島文世
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を始めた。『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。邦訳された作品には、他に『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『バビロンまでは何マイル』『ダークホルムの闇の君』『うちの一階には鬼がいる!』(以上創元ブックランド)『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』『呪文の織り手』『呪文の織り手』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。2011年歿。
原島文世
(ハラシマフミヨ )群馬県生まれ。英米文学翻訳家。主な訳書にクラーク「ピラネージ」、マグワイア「不思議の国の少女たち」、キングフィッシャー「パン焼き魔法のモーナ、街を救う」、リード「ザ・ブラック・キッズ」などがある。