【英国幻想文学大賞受賞】
ニューヨークで講座を持つジェラミイは夏期休暇に田舎町の貸家でゴティック・ロマンスの研究にいそしむことにした。古い信仰が残るその小さな町で彼は墓地を見つけ、ここでは百年ほど前、大火事による惨事があったことを知る。一方ニューヨークでは謎めいた“老いた者”が「儀式」の準備を調えていた。彼は独白する。既に男は選んだ。次は女だ。伝説のホラー巨編。
大瀧啓裕
(オオタキケイスケ )1952年、大阪市生まれ。著書に『魔法の本箱』『エヴァンゲリオンの夢』、訳書にラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』、ラッセル『悪魔の系譜』、スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』『ヒュペルボレオス極北神怪譚』『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』、オブライエン『金剛石のレンズ』、ウィルスン〈始末屋ジャック〉シリーズ他多数。