代々続く名家出身のネクロマンサー、ワードは死せる美女を前に震えていた。なんとしても彼女を目ざめさせなければならない。術は成功した。だが目ざめたばかりの美女は「自分は殺された」と言い張り、ワードに助けを求めてきたのだ。どうして拒むことができようか。かくして落ちこぼれネクロマンサーと、もと殺し屋の死せる美女は、裏社会を相手どり手探りで戦いを挑むことに。魔法と闇社会が支配するあやしい異世界ファンタジー。訳者あとがき=圷香織
メラニー・カード
本作がデビュー作。これまでも常に頭の中で物語を紡いできた。現在は片隅から猫が見守るデスクで物語を書き、執筆していない時は地元の劇団で活動している。
圷香織
(アクツカオリ )上智大学国文学科卒。英米文学翻訳家。訳書にオルツィ「紅はこべ」、マクニール「チャーチル閣下の秘書」「エリザベス王女の家庭教師」「ホテル・リッツの婚約者」、チュウ「夜の獣、夢の少年」「彼岸の花嫁」、ワスマー「シェフ探偵パールの事件簿」などがある。