クトゥルー? ヨグ・ソトト? 意味不明の言葉が連なる古い手紙。屋根裏に鎖で固定された一対の手錠。片田舎の屋敷を相続した牧師リーランドを襲う悪夢と、妻への理由なき殺意。そして、魚類を思わせる異様な容貌の少女に出会ったとき、彼は魔界へと踏み込んでいく……。異端の詩人がラヴクラフトに捧げる、苦痛と狂気、恐怖と背徳の物語。
尾之上浩司
(オノウエコウジ )英米文学翻訳家。主な訳書にマシスン『ある日どこかで』、フォスター『スター・トレック――イントゥ・ダークネス』、ロス『ダーク・シャドウ――血の唇』、カークマン+ボナンジンガ『ウォーキング・デッド――ガバナーの誕生』ほか多数。