ピッツォファルコーネ署管内の美術館から十歳の少年が消えた。激高しやすいロマーノと気取り屋アラゴーナがコンビを組んで捜査を進めるうち、事態は誘拐の様相を呈してくる。その頃ロヤコーノ警部は奇妙な空き巣事件を担当し、副署長が独自に調べる自殺案件にも新展開が。型破りな刑事たちが同時進行する事件に奔走する大人気警察小説、21世紀の〈87分署〉シリーズ待望の第二弾! 解説=川出正樹
マウリツィオ・デ・ジョバンニ
1958年ナポリ生まれ。銀行に勤めるかたわら応募した文学コンテストで高く評価され、2006年に長編Le lacrime del pagliaccioで本格的に作家デビュー。同書を第一作とする〈リチャルディ警視〉シリーズと、ロヤコーノ警部を主人公に13年刊の『P分署捜査班 集結』から開始した〈P分署捜査班〉シリーズのふたつで知られる。〈P分署捜査班〉は17年より本国イタリアで連続テレビドラマの放送が始まった。
直良和美
(ナオラカズミ )東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。英米文学翻訳家。主な訳書、ローザン「チャイナタウン」「ピアノ・ソナタ」、デ・ジョバンニ「集結」「誘拐」、フレムリン「泣き声は聞こえない」など。