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●西澤保彦氏推薦――「わたしの本格ミステリの永遠のヒロイン、その名はサリー・モーン。」
嵐の夜、サリーは一台の車があとをつけてくるのに気がついた。いったんは無事やりすごせたかに思えたが、折りからの暴風に巨木が倒れ、行く手を塞いでしまう。あせった彼女は、倒木の向こうで同じ憂き目にあっていた未知の男性と車を交換、それぞれの目的地をめざすが……。英国の重鎮が華麗に描く、巧緻にして型破りの本格傑作。
クリスチアナ・ブランド
1907年マラヤ(現在のマレーシアの一部)生まれ。イギリスに帰国後の17歳のとき父が破産。自活のため保母兼家庭教師やモデル、ダンサーなどさまざまな職業を転々とする。1941年、『ハイヒールの死』 で本格的に作家デビュー。以後『緑は危険』『ジェゼベルの死』『はなれわざ』『招かれざる客たちのビュッフェ』など、オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、女流ミステリ作家としての確固たる地歩を築く。また、1972年から73年までCWA(英国推理作家協会)の会長を務めた。1988年没。