雪嵐の中、オスロ発ベルゲン行きの列車が脱線、トンネルの壁に激突した。運転手は死亡、乗客は近くの古いホテルに避難した。ホテルには備蓄がたっぷりあり、救助を待つだけのはずだった。だがそんな中、牧師が他殺死体で発見された。吹雪は止む気配を見せず、救助が来る見込みはない。乗客のひとり、元警官の車椅子の女性が乞われて調査にあたるが、またも死体が……。ノルウェーミステリの女王がクリスティに捧げた、著者の最高傑作! 解説=若林踏
アンネ・ホルト
1958年生まれ。ベルゲン大学法学部在学中の1984年から88年までノルウェーの国営テレビ放送局に勤務。その後の2年間、オスロ市警に検察官として勤務。90年にテレビの仕事に戻り、91年までニュース番組のキャスターを務めた。その後弁護士の仕事をしていたが、93年に『女神の沈黙』で作家デビュー。さらに96年には法務大臣の職に就く。翌年大臣の職を退いたが、執筆活動は現在も続けている。