ひとり娘のトーヴェは思春期の難しい年頃、彼氏がいることも打ち明けてくれなかった。娘との関係に悩みつつも、モーリンは捜査を続ける。木の枝に吊るされた死体。これはリンチか、それとも生贄なのか。次第に明らかになる被害者の悲惨な境遇、凄惨な過去。複雑に絡まり合う家族の愛憎。一つまた一つと明るみに出る隠された出来事。スウェーデンの静かな地方都市リンショーピンを舞台にした、モーリン・フォシュ・シリーズ開幕。訳者あとがき=久山葉子
久山葉子
(クヤマヨウコ )1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒業。スウェーデン在住。主な訳書にペーション『許されざる者』、マークルンド『ノーベルの遺志』、カッレントフト『冬の生贄』、ランプソス&スヴァンベリ『生き抜いた私 サダム・フセインに蹂躙され続けた30年間の告白』などがある。