1944年9月。飛行士のローズは、戦闘機を輸送する途中でドイツ軍に捕まり、ラーフェンスブリュック強制収容所に送られる。飢えや寒さに苦しみながら苛酷な労働に従事するローズ。収容所で出会った仲間と生き延び、窮地を脱するための意外な方策とは──。戦争に翻弄される女性たちの絆と闘い。日記や手紙で構成された、先の見えない展開の果てに待つ圧巻の結末が胸を打つ傑作! 訳者あとがき=吉澤康子
エリザベス・ウェイン
1964年ニューヨーク生まれ。ペンシルベニア大学で民俗学の博士号を取得。小型飛行機の操縦が趣味で、国際的な女性パイロットの組織、ナインティ・ナインズのメンバーになっている。1993年、アーサー王伝説を題材にした物語The Winter Princeでデビューする。同シリーズの4作目にあたるThe Lion Hunter(2007)はアンドレ・ノートン賞の候補になった。2012年刊の本書はアメリカ探偵作家クラブのエドガー賞ヤングアダルト小説部門を受賞したほか、アガサ賞、ゴールデン・カイト賞、カーネギー賞など数々の賞の最終候補になり、高く評価された。
吉澤康子
(ヨシザワヤスコ )津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家。エリザベス・ウェイン『コードネーム・ヴェリティ』『ローズ・アンダーファイア』、ラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』など訳書多数。