定価:1,650円 (本体価格:1,500円)
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弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢(ひ)かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になっており、悲しみは湧かなかった。だが弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれて……。姪(めい)との交流と真実を追い求める旅路が、ヴィクターの灰色の人生を切なくも鮮やかに彩っていく。一人の男の再生を描く、心震えるミステリ。解説=三橋暁
R・J・エロリー
1965年イギリス、バーミンガム生まれ。代表作に2007年刊行の『静かなる天使の叫び』があり、本国だけで35万部を超えるベストセラーとなった。同書はケベック本屋賞を受賞、また、バリー賞最優秀英国ミステリ賞最終候補となり、日本では、2009年の『IN★POCKET』の「文庫翻訳ミステリー・ベスト10」翻訳家&評論家部門で2位に輝いた。作品は26の言語に翻訳されている。その他の著作に、シークストンズ・オールド・ペキュリアー最優秀犯罪小説賞を受賞したA Simple Act of Violence(2008)、CWA(英国推理作家協会)のイアン・フレミング・スチール・ダガー賞の最終候補となったCity of Lies(2006)などがある。
吉野弘人
(ヨシノヒロト )英米文学翻訳家。山形大学人文学部経済学科卒。主な訳書にロバート・ベイリー『ザ・プロフェッサー』『黒と白のはざま』『ラスト・トライアル』『最後の審判』『ゴルファーズ・キャロル』、グレアム・ムーア『評決の代償』、T・J・ニューマン『フォーリング−墜落−』、デイヴィッド・ヘスカ・ワンブリ・ワイデン『喪失の冬を刻む』などがある。