ある炭鉱町に、水の研究をする水文学者を名乗る男が現れる。以来、その町では墓地や図書館が荒らされ、住人たちは正体不明の奇怪な病に侵され次々と死んでいく。伝染病なのか、それとも飲料水に毒でも投げ込まれたのか? マコーマックらしさ全開の不気味な奇想小説。巻末に柴田元幸氏のエッセー「座りの悪さのよさ」を再録。
エリック・マコーマック
1938年、スコットランド生まれ。グラスゴー大学を卒業。1966年、カナダに移住。マニトバ大学、ウォータールー大学で17世紀および現代英文学の教鞭を執った。著書に『隠し部屋を査察して』、『パラダイス・モーテル』、『雲』等がある。2023年5月没。
増田まもる
(マスダマモル )1949年宮城県生まれ。早稲田大学文学部中退。英米文学翻訳家。訳書にJ・G・バラード『ミレニアム・ピープル』、『楽園への疾走』、E・マコーマック『隠し部屋を査察して』、『パラダイス・モーテル』他多数。