15歳の僕は初めて父の故郷を訪れた。ミシシッピ川を見下ろす岩だらけの丘の上の、歴史と謎の重さが宿る家に、祖父母と大叔父・大叔母の4人が住んでいる。祖母は僕に少女時代の思い出を話した。ミシシッピの幽霊の話、亡き妹の話、南北戦争の話、そして南部から逃げてきた2人の謎の少女のことを……。秘められた歴史を題材にニューベリー賞受賞作家が贈る、アメリカの深部に迫る話題作。少年が大人になった、心温まる夏の1週間。本文挿絵＝今井カノエ／訳者あとがき＝斎藤倫子
リチャード・ペック
1934年、イリノイ州中部のディケーターで生まれ育つ。中学校教師を経て筆をとり、これまで30冊以上もの作品を執筆。2001年には児童文学作家初となる〈米国人文科学勲章〉を授与された。『シカゴよりこわい町』（第49回産経児童出版文化賞〈賞〉受賞）でニューベリー賞オナーに選ばれ、『シカゴより好きな町』で2001年のニューべリー賞、『ミシシッピがくれたもの』でもスコット・オデール賞など、数々の児童文学賞を受賞している。