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東京創元社の新しいヤングアダルト叢書
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創元ブックランド・ロゴ 東京創元社はこれまで『肩胛骨は翼のなごり』『ダンデライオン』『シカゴよりこわい町』(産経児童出版文化賞入賞)、《ウィーツィ・バット ブックス》など、海外のヤングアダルトの名作秀作を刊行してきました。2005年、この成果のもとに、新しいヤングアダルト叢書を創刊します。
■ 第24回配本(2009年1月刊)

『魔使いの戦い』〈上・下〉
 ジョゼフ・ディレイニー/金原瑞人・田中亜希子訳
  四六判上製/定価上下各1995円

魔使いの戦い上  ぼくはトム。七番目の息子の七番目の息子だ。

 魔使いに弟子入りして2年目、いよいよ師匠の魔使いとアリスとともに、ペンドルの魔女集団を片づけにいくことになった。魔使いの友人だというペンドルの司祭に助けてもらっても、魔女集団を相手だと思うとなんだか不安でいっぱいだ。
 そんな矢先、亡き父さんの農場を継いでいる一番上の兄、ジャック一家が何者かにさらわれた! しかも、母さんが去るときにぼくに残していった三つのトランクも奪われてしまったのだ。いったい誰が?

 トムは兄一家をみつけだし、トランクを無事取りもどすことができるのか?

魔使いの戦い下  ジャック一家はどうやら母さんのトランクを奪おうとしたペンドルの魔女一派にさらわれたらしい。
 魔女の一族出身のアリスは、情報を得るためにひとり先にペンドルに向かった。いそいで後をおう魔使いとぼく。
 ところが、そのペンドルでぼくはひとりの女の子に出会った。金髪にぼろぼろのワンピース、はだしで歩く彼女の名前はマブ。アリスのところに連れていってやるというのだ。  罠かもしれないと思いつつ、ぼくは彼女について行ったが……

 魔女集団との壮絶な戦い。魔使いは魔王の復活を阻止できるのか? 魔使いの弟子トムに、魔の手が迫る!

 好評《魔使いシリーズ》第4弾!


著者 ジョゼフ・ディレイニー
1945年イングランド北部ランカシャー生まれ。ランカシャー大学卒業。ブラックプール・シックスフォーム・カレッジでメディア及び映像関連に関して教えるかたわら、大人向けの小説を書いていたが、エージェントの勧めで初の児童書『魔使いの弟子』を書いたところ成功。現在十五カ国で翻訳され、さらに『魔使いの呪い』『魔使いの秘密』、THE SPOOK'S BATTLE(本書)、THE SPOOK'S MISTAKE と続巻も刊行されている。

訳者 金原瑞人(かねはら・みずひと)
翻訳家・法政大学教授。訳書にディレイニー『魔使いの弟子』『魔使いの呪い』『魔使いの秘密』、ブロック〈ウィーツィ・バット・ブックス〉全5巻プライス『500年のトンネル』(以上東京創元社)、ストラウド『バーティミアス』(理論社)、クラッチャー『アイアンマン』(ポプラ社)、ローズ『ティモレオン』(中央公論文庫)、シアラー『青空のむこう』(求龍堂)、アランハフト『ラスト・ドッグ』(ほるぷ出版)、ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。

訳者 田中亜希子(たなか・あきこ)
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている。おもな訳書に絵本ダラス=コンテ『コッケモーモー!』(徳間書店)、シールズ〈マーメイド・ガールズ〉シリーズ(あすなろ書房)、リーデ『囚われちゃったお姫さま』、ディレイニー『魔使いの弟子』『魔使いの呪い』『魔使いの秘密』(東京創元社)、ヒル『僕らの事情。』(求龍堂)、マーサー〈バンパイア・ガールズ〉シリーズ(理論社)、ハートネット『サレンダー』(河出書房新社)などがある。

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■ 第23回配本(2008年12月刊)

『プーカと最後の大王 時間のない国で2
 ケイト・トンプソン/渡辺庸子訳
  四六判上製/定価2730円

プーカと最後の大王  リディ家の次女ジェニーは、とっても変わった女の子。
 約束は忘れるし学校はサボるし、いつも薄着で靴もはかず、夕方まで外をうろうろ。
 おまけに怪しげな野生のヤギや、丘の上の幽霊とも仲良しらしい。
 でもそのヤギ、実はプーカという生き物で……
 ちょっとズレてて、それでもほんのりあったかい、音楽一家リディ家の世界を巻きこんでの大騒動を描く物語。

 ガーディアン賞、ウィットブレッド賞児童書部門、ビスト最優秀児童図書賞に輝く名作『時間のない国で』続編。


著者 ケイト・トンプソン
1956年、イギリス、ヨークシャー地方ハリファックス生まれ。1981年アイルランドに移り住み。現在ゴールウェイ近郊のキンバラに在住。1994年にアイルランドで処女作Switcher を刊行。以降年一冊のペースで刊行を続ける。The Beguiler(2001)、The Alchemist's Apprentice (2002)、 Annan Water(2004)、そして今回のThe New Policeman(2005)とビスト最優秀児童図書賞受賞(アイルランドの優れた児童文学に与えられる賞)を連続して受賞。『時間のない国で』ではじめてイギリスのビッグタイトル、ガーディアン賞、ウィットブレッド賞を受賞した。

訳者 渡辺庸子(わたなべ・ようこ)
法政大学(通信課程)日本文学科卒業。訳書にウッディング『ポイズン』、トンプソン『時間のない国で』(創元ブックランド)、キーン『古時計の秘密』『幽霊屋敷の謎』『バンガローの事件』『ライラック・ホテルの怪事件』、アンブローズ『幻のハリウッド』ジャクスン『丘の屋敷』(以上創元推理文庫)などがある。

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■ 第22回配本(2008年10月刊)

『仮面の大富豪』
―サリー・ロックハートの冒険2―
〈上・下〉
 フィリップ・プルマン/山田順子訳
  四六判上製/定価上下各1890円

仮面の大富豪上 「マハラジャのルビー」事件から6年。サリーは財政コンサルタントとして、忙しい毎日をすごしていた。
 冒険を共にしたフレッド、ジムとはいい仲間だし、シャカという忠実な犬もいる。
そんなある日、サリーのオフィスにひとりの老婦人が訪ねてきた。2年前にサリーの勧めで投資をした先の海運会社が倒産、老後の貯えをすべて失ってしまったのだという。
 一方、劇作家になる目標を胸に、劇場で雑用係をつとめるジムは、出演者のひとり、奇術師に乞われて、劇場を脱出する手伝いをする。殺人を目撃し命を狙われているというのだ。
 事件の背後に見え隠れする、謎の大富豪の存在。
 ふたつの出来事は、やがて大きな渦となって、全員を巻き込んでいく……。

仮面の大富豪下  海運会社の倒産事件を調べるサリーと、正体のわからない相手に命を狙われているという奇術師の依頼を調べるフレッドとジム。一見ばらばらの事件が、調べ進むうちにひとりの人物に集約していく。その人物とは、スウェーデン出身の大富豪アクセル・ベルマン。 イングランド北部に広大な敷地をもつ工場を建て、貴族の令嬢と婚約。華やかな活躍の陰に秘められた怪しい過去。
次第に核心に迫ってゆくサリーと仲間たちの上にも、ベルマンの魔の手が……。
そして、巨大な悪に立ち向かうサリーが最後に下した決断とは?

名作〈ライラの冒険〉にも負けないスケールと感動。ヴィクトリア朝冒険物語第2弾。
フェニックス賞オナー受賞。カーネギー賞70周年オールタイムベストに輝く『黄金の羅針盤』の著者の感動大作。
解説=田中芳樹

著者 フィリップ・プルマン
946年イギリスのノリッジ生まれ。イギリス、ジンバブエ、オーストラリアを転々としたのち本国にもどり、オクスフォード大学エクセター・コレッジで英文学を学ぶ。その後、教鞭をとるかたわら児童書の執筆を、1982年に Count Karlstein を発表したのち、この〈サリー・ロックハートの冒険〉4部作を書きはじめる。その後1995年から〈ライラの冒険〉三部作(新潮社)を発表、第1巻の『黄金の羅針盤』ではカーネギー賞、ガーディアン賞を、第3巻の『琥珀の望遠鏡』ではウィットブレット賞児童文学賞と最優秀賞を同時受賞するという快挙をなしとげ、また『黄金の羅針盤』は、カーネギー賞70周年オールタイムベストにも輝いた。

訳者 山田順子(やまだ・じゅんこ)
1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。主な訳書にプルマン『マハラジャのルビー』、アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』『秘密の心臓』、ライス『こびと殺人事件』(以上東京創元社)、キング『スタンド・バイ・ミー』(新潮社)、アンソニイ〈魔法の国ザンス〉シリーズ(早川書房)、ヘンダースン『ページをめくれば』(共訳、河出書房新社)などがある。


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■ 第21回配本(2008年8月刊)

『ぼくとルークの一週間と一日』
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/大友香奈子訳
  四六判上製/定価1890円

ぼくとルークの一週間と一日  デイヴィッドは休暇がいやでいやでたまらなかった。
 両親が死んで、引き取られた大おじ一家が、なにかというと面倒をみてもらえることに感謝すべきだと言うのだ。
 ある日ついに爆発したデイヴィッドは、大おじ一家に呪いをかけることにした。  場所は裏庭の堆肥の山。
 でたらめに唱えた文句が当たったか、いきなり地面が揺れるわ塀が崩れるわ……そして現れたのが不思議な少年ルーク。
 その日から、デイヴィッドの生活は一変した。
 目の前で不可解な火事はおきるし、ルークを狙ってあやしげなやつらはうろうろするし。いったいルークって何者?

 少年の友情と冒険を描いた、現代英国児童文学の女王の初期傑作登場。

著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。
3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表しつづけている。 『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。
日本で翻訳されている作品としては、他に、『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』上下『バビロンまでは何マイル』上下『ダークホルムの闇の君』上下『グリフィンの年』上下『うちの一階には鬼がいる!』(以上創元ブックランド)『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』『呪文の織り手』『時の彼方の王冠』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。

訳者 大友香奈子(おおとも・かなこ)
1965年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書にパトリシア・A・マキリップ『ホアズブレスの龍追い人』、ダイアナ・ウィン・ジョーンズほかプ『魔法使いになる14の方法』(以上創元推理文庫)などがある。

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■ 第20回配本(2008年6月刊)

『囚われちゃったお姫さま』―魔法の森1―
 パトリシア・C・リーデ/田中亜希子訳
  四六判上製/定価2100円

囚われちゃったお姫さま  リンダウォール王国の末の姫シモリーンは、お姫さまらしくするのが大嫌い。
 剣術、ラテン語、経済学に魔法にお料理と、夢中になるのはお姫さまにあるまじきことばかり。名付け親の妖精までもが匙をなげる始末。
 困り果てた王さまとお妃さまの計らいで、隣国のめちゃくちゃハンサムな(だけの)王子と、あやうく婚約させられそうになり、城出を決行。ところが、飛び込んださきは……なんとドラゴンでいっぱいの洞窟だった。
 押しかけ“囚われの姫”になってしまった型破りなお姫さまが、ドラゴンやうさんくさい魔法使いを相手に大活躍!

 可愛くて元気なファンタジー〈魔法の森シリーズ〉第一弾。


著者 パトリシア・C・リーデ
1953年アメリカ合衆国、イリノイ州シカゴ生まれ。1977年ミネソタ大学でMBAを取得後、財政アナリストや会計士の仕事をしながら執筆。1980年には、後に The Scribblies として知られるようになる作家集団を結成。1982年に最初の作品を出版、その後、専業作家になり、第一巻である本書が全米図書館評議会(ALA)のヤングアダルト部門の最優秀図書に選ばれた、〈魔法の森シリーズ〉全4巻を始め、Caroline Stevemerとの共作 Cecelis and Kate のシリーズ、スターウォーズのノベライズのほか、いくつものファンタジーを書き好評を得ている。現在はミネソタ州ミネアポリスに三匹の猫と暮らしている。

訳者 田中亜希子(たなか・あきこ)
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている。おもな訳書に絵本ダラス=コンテ『コッケモーモー!』、ハッチンス『ピクニックにいこう!』(共に徳間書店)のほか、YA向けの小説ライ『インド式マリッジブルー』、ディレイニー『魔使いの弟子』『魔使いの呪い』『魔使いの秘密』(東京創元社)、ヒル『僕らの事情。』(求龍堂)、ブロック『ひかりのあめ』(主婦の友社)、ハートネット『小鳥たちが見たもの』(河出書房新社)などがある。

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■ 第19回配本(2008年4月刊)

『ホーミニ・リッジ学校の奇跡!』
 リチャード・ペック/斎藤倫子訳
  四六判上製/定価1890円

ホーミニ・リッジ学校の奇跡!  八月、トウモロコシが穂を出し、クローバーの花が咲きみだれる。そして日が暮れるのが少しばかり早くなる――夏休みが終わる直前のその八月に、わたしたちの先生、独身の女性教師マート・アーバクル先生は突然この世に別れを告げた。
 そして……代理教師としてやってきたのは、なんと学校なんか大嫌いな少年ラッセルの姉さん。こうして教育熱心でタフな姉さんと、いまひとつ勉強に身が入らない生徒たちの攻防が始まった! 

 古きよきアメリカの片隅、ホーミニ・リッジ学校の型破りな学校生活を実り豊かに描く、『シカゴよりこわい町』『シカゴより好きな町』の著者、ニューベリー賞作家の待望の一冊。


著者 リチャード・ペック
1934年、イリノイ州中部のディケーターで生まれ育つ。中学校教師を経て筆をとり、これまで30冊以上もの作品を執筆。2001年には児童文学作家初となる〈米国人文科学勲章〉を授与された。『シカゴよりこわい町』(第49回産経児童出版文化賞〈賞〉受賞)でニューベリー賞オナーに選ばれ、『シカゴより好きな町』で2001年のニューべリー賞を、『ミシシッピがくれたもの』でもスコット・オデール賞を受賞するなど、数々の児童文学賞を受賞している。

訳者 斎藤倫子(さいとう・みちこ)
1954年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。主な訳書にリチャード・ペック『シカゴよりこわい町』『シカゴより好きな町』『ミシシッピがくれたもの』、ヴァンデ・ヴェルデ『六つのルンペルシュティルツキン物語』(以上、東京創元社)、B・ウィリアムズ『赤いカヌーにのって』(あすなろ書房)、ブラスウェイト『ほたる島物語』(ポプラ社)、ライラント『メイおばちゃんの庭』(あかね書房) 等がある。

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■ 第18回配本(2008年2月刊)

『魔使いの秘密』
 ジョゼフ・ディレイニー/金原瑞人・田中亜希子訳
  四六判上製/定価2625円

魔使いの秘密  ぼくはトム。魔使いの弟子だ。
 師匠の魔使いと、魔女の女の子アリスと一緒にチペンデンにある師匠の家で暮らしている。
 ところが冬になったとたん、師匠は居心地のいいのチペンデンの家から、アングルザーク高原にある冬の家にうつるという。母さんの話では、アングルザークは、なにかといやなうわさのある土地らしい。しかもアリスは魔女で、ぼくの修行の邪魔になるから、一緒には住めないんだって……。

 暗くて陰気なアングルザークの冬の家で待っていたのは、広い地下室にある魔女やボガートを封じ込めた穴、そして師匠のもと恋人で、ラミア魔女のメグだった。
 おまけに師匠の出来損ないの弟子モーガンが、この地で冬の魔王ゴルゴスを目ざめさせようとしているらしい!

 ボガート退治で大けがをした魔使いのかわりに、孤軍奮闘するトム。
 師匠を助けて、モーガンの野望をくじくことができるのか?
 好評シリーズ第三弾。

著者 ジョゼフ・ディレイニー
1945年イングランド北部ランカシャー生まれ。ランカシャー大学卒業。ブラックプール・シックスフォーム・カレッジでメディア及び映像関連に関して教えるかたわら、大人向けの小説を書いていたが、エージェントの勧めで初の児童書『魔使いの弟子』を書いたところ成功。現在十五カ国で翻訳され、さらに『魔使いの呪い』、THE SPOOK'S SECRET(本書)、THE SPOOK'S BATTLEと続巻も刊行されている。

訳者 金原瑞人(かねはら・みずひと)
翻訳家・法政大学教授。訳書にディレイニー『魔使いの弟子』『魔使いの呪い』、ブロック〈ウィーツィ・バット・ブックス〉全5巻プライス『500年のトンネル』(以上東京創元社)、ストラウド『バーティミアス』(理論社)、クラッチャー『アイアンマン』(ポプラ社)、ローズ『ティモレオン』(中央公論文庫)、シアラー『青空のむこう』(求龍堂)、アランハフト『ラスト・ドッグ』(ほるぷ出版)、ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。

訳者 田中亜希子(たなか・あきこ)
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている。おもな訳書に絵本ダラス=コンテ『コッケモーモー!』、ハッチンス『ピクニックにいこう!』(共に徳間書店)のほか、YA向けの小説ライ『インド式マリッジブルー』、ディレイニー『魔使いの弟子』『魔使いの呪い』(東京創元社)、ヒル『僕らの事情。』(求龍堂)、ブロック『ひかりのあめ』(主婦の友社)、ハートネット『小鳥たちが見たもの』(河出書房新社)などがある。

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■ 第17回配本(2007年11月刊)

『グリフィンの年』〈上・下〉【単行本版】
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/浅羽莢子訳
  四六判上製/定価上下各1785円

グリフィンの年上 魔術大学では何ひとつうまくいっていなかった。
赤字はかさむいっぽう。学費を値上げしたせいで、逆に入学者の数まで減ってしまう始末だ。
ケリーダから大学の運営を任された若手の魔術師たちは赤字減らしに四苦八苦。苦しまぎれに新入生の父母に寄付をつのったのが、大騒動のはじまりだった。

現代英国ファンタジーの女王が、魔法世界のキャンパスライフをいきいきと描いた、おかしな青春ファンタジー。


グリフィンの年下今年の新入生は問題児ぞろい。
北の国の王子に、南の皇帝の妹、魔術師の娘のグリフィンに、革命家のドワーフ、首長国からきた青年に、出身を明かさない金持ちの娘。
いつのまにか仲良くなった6人だが、じつはそれぞれに困った問題をかかえこんでいた。
一方、大学では、刺客はキャンパスに入りこむわ、外套掛けは女子学生につきまとうわ、海賊は学食に乱入するわの大混乱。グリフィンのエルダと友人たちは、この危機をどう切り抜ける?

ミソピーイク賞受賞の傑作ファンタジー。〈ダークホルムの闇の君〉続編。

解説=荻原規子

著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。
3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表しつづけている。 『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。
日本で翻訳されている作品としては、他に、『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』上下『バビロンまでは何マイル』上下『ダークホルムの闇の君』上下『うちの一階には鬼がいる!』(以上創元ブックランド)『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』『呪文の織り手』『呪文の織り手』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。

訳者 浅羽莢子(あさば・さやこ)
東京大学文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『ダークホルムの闇の君』『グリフィンの年』、マーヴィン・ピーク《ゴーメンガースト三部作》など多数。2006年没。

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■ 第16回配本(2007年9月刊)

『魔使いの呪い』
 ジョゼフ・ディレイニー/金原瑞人・田中亜希子訳
  四六判上製/定価2520円

魔使いの呪い  ぼくはトム。魔使いに弟子入りして半年ほどたつ。修業は大変でまだまだ半人前だけど、なんとかやっている。
 そんなある日、人の血の味をおぼえたボガート、リッパーを退治してくれという依頼があった。被害者はなんと師匠である魔使いのお兄さん。 師匠の手を借りずになんとぼくひとりで無事にボガートは退治したものの、こんどは病み上がりの魔使いが、古代の悪霊ベインが巣くう大聖堂の町プライズタウンに向かうと言い出した。
 だがそこには魔使いをつけ狙う、冷酷な魔女狩り長官が……。そして魔女狩り長官に捕らえられた魔女たちのなかにぼくが見たのは、たったひとりの友だちアリスの姿だった。  古代のおそろしい悪霊ベインと魔使いを憎む魔女狩り長官、ふたつの敵を相手に、魔使いとトムはどう戦う? そして捕らえられたアリスの運命は?

 七番目の息子の七番目の息子トムの、冒険と成長を描く、ちょっぴりこわくて止められない〈魔使いシリーズ〉第二弾。
上橋菜穂子解説。

著者 ジョゼフ・ディレイニー
1945年イングランド北部ランカシャー生まれ。ランカシャー大学卒業。ブラックプール・シックスフォーム・カレッジでメディア及び映像関連に関して教えるかたわら、大人向けの小説を書いていたが、エージェントの勧めで初の児童書『魔使いの弟子』を書いたところ成功。現在十五カ国で翻訳され、さらにTHE SPOOK'S CURSE(本書)、THE SPOOK'S SECRET、THE SPOOK'S BATTLEと続巻も刊行されている。

訳者 金原瑞人(かねはら・みずひと)
翻訳家・法政大学教授。訳書にディレイニー『魔使いの弟子』、ブロック〈ウィーツィ・バット・ブックス〉全5巻プライス『500年のトンネル』(以上東京創元社)、ストラウド『バーティミアス』(理論社)、クラッチャー『アイアンマン』(ポプラ社)、ローズ『ティモレオン』(中央公論文庫)、シアラー『青空のむこう』(求龍堂)、アランハフト『ラスト・ドッグ』(ほるぷ出版)、ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。

訳者 田中亜希子(たなか・あきこ)
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている。おもな訳書に絵本ダラス=コンテ『コッケモーモー!』、ハッチンス『ピクニックにいこう!』(共に徳間書店)のほか、YA向けの小説ライ『インド式マリッジブルー』、ディレイニー『魔使いの弟子』(東京創元社)、ヒル『僕らの事情。』(求龍堂)、ブロック『ひかりのあめ』(主婦の友社)、ハートネット『小鳥たちが見たもの』(河出書房新社)などがある。

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■ 第15回配本(2007年7月刊)

『うちの一階には鬼がいる!』
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/原島文世訳
  四六判上製/定価2100円

うちの一階には鬼がいる!  母さんが再婚したジャック・マッキンタイアは、横暴で子ども嫌いで、とにかくいやなやつ。おまけに感じのわるーい兄弟、でかぶつのダグラスと陰険なマルコムまでついてきた。
 マッキンタイア家に同居するようになったキャスパー、ジョニー、グウィニーの3人の子どもたちは、地獄の日々をおくっていた……。
 そんなある日、なかでもいちばんうるさいジョニーをおとなしくさせるためのわいろのつもりか、ジャックが買ってきた化学実験セット。“魔法生成化学/魔術舎製造”毒性・爆発性なしと保証付き。おまけにその中身ときたら「粉末揚素」「粉末収酸」「粉末交素」「動物精」「龍牙塩」に「賢礫晶」と、きいたこともない薬品ばかり……
 ところが、これがとんでもない代物、家じゅうをまきこむ大騒動のはじまりだった!
 『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『バビロンまでは何マイル』『ダークホルムの闇の君』などでおなじみ、英国児童文学の女王ダイアナ・ウィン・ジョーンズが、家族の危機と魔法騒動をユーモラスに描く、エヴリディ・マジック・ファンタジーの傑作。 

著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。
3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表しつづけている。 『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。
日本で翻訳されている作品としては、他に、『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』上下『バビロンまでは何マイル』上下『ダークホルムの闇の君』(以上創元ブックランド)『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』『呪文の織り手』『呪文の織り手』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。

訳者 原島文世(はらしま・ふみよ)
群馬県生まれ。英米文学翻訳家。主な訳書にダイアナ・ウィン・ジョーンズ『バビロンまでは何マイル』上下(創元ブックランド)『星空から来た犬』(早川書房)、『ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド』(東洋書林)、ジュリエット・マッケナ『盗賊の危険な賭』(中央公論新社)などがある。


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■ 第14回配本(2007年5月刊)

『マハラジャのルビー』
―サリー・ロックハートの冒険1―

 フィリップ・プルマン/山田順子訳
  四六判上製/定価2310円

マハラジャのルビー  サリー・ロックハート、十六歳。海運会社の経営者だった父を船の事故で失い、天涯孤独の身になったばかり。そのサリーのもとに、ある日謎めいた警告の手紙が送られてきた。 ところが、その手紙に書かれていた〈七つの祝福〉という言葉を耳にしたとたん、父の会社の重役が死んでしまったのだ。〈七つの祝福〉とはいったい?
 ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に、英文学やフランス語、歴史、美術、音楽に関する知識は皆無だが、軍の作戦、簿記、株式市場の動き、ヒンドゥー人に関する実用知識には堪能という、変わり者の少女サリーがもちまえの機転と勇気で父の死と呪われたルビーの謎に挑む。
 サリーにつきまとう怪しげな老婆、阿片の煙にかすむインドの記憶、そしてマハラジャのルビー……

あの〈ライラの冒険〉の著者プルマンの傑作冒険シリーズ第一弾!

著者 フィリップ・プルマン
946年イギリスのノリッジ生まれ。イギリス、ジンバブエ、オーストラリアを転々としたのち本国にもどり、オクスフォード大学エクセター・コレッジで英文学を学ぶ。その後、教鞭をとるかたわら児童書の執筆を、1982年に Count Karlstein を発表したのち、この〈サリー・ロックハートの冒険〉4部作を書きはじめる。その後1995年から〈ライラの冒険〉三部作(新潮社)を発表、第1巻の『黄金の羅針盤』ではカーネギー賞、ガーディアン賞を、第3巻の『琥珀の望遠鏡』ではウィットブレット賞児童文学賞と最優秀賞を同時受賞するという快挙をなしとげた。

訳者 山田順子(やまだ・じゅんこ)
1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。主な訳書にアーモンド『肩胛骨は翼のなごり』『秘密の心臓』、ライス『こびと殺人事件』(以上東京創元社)、キング『スタンド・バイ・ミー』(新潮社)、アンソニイ〈魔法の国ザンス〉シリーズ(早川書房)、ヘンダースン『ページをめくれば』(共訳、河出書房新社)などがある。


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■ 第13回配本(2007年3月刊)

『魔使いの弟子』
 ジョゼフ・ディレイニー/金原瑞人・田中亜希子訳
  四六判上製/定価1995円

魔使いの弟子  ぼくはトム、7番目の息子である父さんの7番目の息子だ。
 手に職をつけてひとりだちするために、ぼくが弟子入りすることになったのは魔使い。おそろしいボガートや魔女から人々を守る危険で孤独な仕事だ。母さんは、ぼくには特別な能力があるのだから、立派な魔使いになれるって言うけど、なんだか自信がない。
 ぼくが魔使いに弟子入りするための最初の試験は、うらさびれた炭坑町ホーショーにある幽霊屋敷でひと晩過ごすこと。
 ひとりになって、寒いし、変に目がさえて眠れずにいると、地下室で物音がした。だれもいないはずの地下室でだれかが地面を掘っている……

 怖がりの少年トムは、無事に魔使いになることができるのか?
 どきどき恐くて面白い。〈魔使いシリーズ〉第一弾

著者 ジョゼフ・ディレイニー
1945年イングランド北部ランカシャー生まれ。ランカシャー大学卒業。ブラックプール・シックスフォーム・カレッジでメディア及び映像関連に関して教えるかたわら、大人向けの小説を書いていたが、エージェントの勧めで初の児童書THE SPOOK'S APPRENTICE(本書)を書いたところ成功。現在十五カ国で翻訳され、さらにTHE SPOOK'S CURSE、THE SPOOK'S SECRETと続巻も刊行されている。

訳者 金原瑞人(かねはら・みずひと)
翻訳家・法政大学教授。訳書にブロック〈ウィーツィ・バット・ブックス〉全5巻プライス『500年のトンネル』(以上東京創元社)、ストラウド『バーティミアス』(理論社)、クラッチャー『アイアンマン』(ポプラ社)、ローズ『ティモレオン』(中央公論文庫)、シアラー『青空のむこう』(求龍堂)、アランハフト『ラスト・ドッグ』(ほるぷ出版)、ウェストール『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』などがある。

訳者 田中亜希子(たなか・あきこ)
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に。絵本の読み聞かせの活動もおこなっている。おもな訳書に絵本ダラス=コンテ『コッケモーモー!』、ハッチンス『ピクニックにいこう!』(共に徳間書店)のほか、YA向けの小説ライ『インド式マリッジブルー』(東京創元社)、ヒル『僕らの事情。』(求龍堂)、ブロック『ひかりのあめ』(主婦の友社)、ハートネット『小鳥たちが見たもの』(河出書房新社)などがある。

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■ 第12回配本(2007年1月刊)

『夏星の子』―ファイアブリンガー3―
 メレディス・アン・ピアス/谷泰子訳
  四六判上製/定価3000円

夏星の子 厳しい冬をなんとか乗り切ったユニコーン一族。長年敵対してきたパンやグリフォンなどの異種族とも和平をむすび、いよいよ聖なる丘を取りもどすため、宿敵ワイヴァーンとの戦いに出発することに。
だが、戦の指揮をとるべき王子ジャンは、狂乱した父王コーアを追って行方不明になってしまう。
すぐに戻るはずのジャンが、幾日どころか何か月たっても帰らないため、残された連れ合いテックが、摂政としてジャンのかわりに群れを率いて、聖なる丘に向かうのだが……。
コーアが抱える暗い秘密の正体とは? そして一族の運命を決める最後の戦いの行方は?

幻獣ファンタジー〈ファイアブリンガー〉三部作完結。

著者 メレディス・アン・ピアス
1958年ワシントン州シアトルに生まれる。ワシントン、カリフォルニア、イリノイ、テキサスなどの州を転々としたのち現在はフロリダ州在住。フロリダ大学で英語と創作の修士号と取得。23歳で書いた処女作 Darkangel(1982 邦題『ダークエンジェル』井辻朱美訳・早川書房刊)が評判をとる。代表作は『炎をもたらすもの』『闇の月』『夏星の子』(本書)の〈ファイアブリンガー三部作〉の他、The Darkangel Trilogy、Treasure at the Heart of the Tanglewoodなど。趣味は作曲、各種の竪琴をつま弾くこと。

訳者 谷泰子(たに・やすこ)
和歌山県生まれ。 1987年、大阪大学文学部卒業。英米文学翻訳家。訳書に『炎をもたらすもの』『闇の月』

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■ 第11回配本(2006年11月刊)

『時間のない国で』〈上・下〉
 ケイト・トンプソン/渡辺庸子訳
  四六判上製/定価上下各1785円

時間のない国で上 どういうわけかいつも時間が足りなかった。一時間が、一日が、一週間が飛ぶようにすぎてしまうのだ。アイルランドの田舎町キンバラに住む、音楽一家リディ家の長男JJも、家族も、まわりじゅうみんながそう感じていた。
JJの母ヘレンが誕生日プレゼントに欲しいと言ったものはなんと「時間」。時間なんてどうやって手に入るんだろう? JJは、なんとかして時間を買おうと決心した。

時間が買える場所を知っているらしい、地元の出版業者、アン・コーフの案内で遺跡の地下にある不思議な膜をくぐったJJがたどりついたのは、“永遠なる若さの国”。そこでなんと時間を売ってくれるというのだ。実は、ほんとうならこの国にあるはずのなかった「時間」が存在するようになり、逆にみな困っているのだという。

時間のない国で下 ぼくたちの世界からこっちの世界に時間が漏れている? JJは“永遠なる若さの国”のフィドル奏者アンガス・オーグと、なぜだかついてくる大きな灰色の犬ブランといっしょに、時間漏れの原因を捜し始める。

一方、JJの世界では、JJやアン・コーフをはじめ、次々と行方不明者が出て、地元の警察はてんてこまい。新人の警察官ラリー・オドワイヤーも、少々頼りないながらなんとか仕事をこなしていた……。

“永遠なる若さの国”でJJとアンガスがたどりついた意外な真相は? JJはもといた世界にもどれるのか?

アイルランドの伝承と伝統音楽が現代にいきいきとよみがえる!
ガーディアン賞、ウィットブレッド賞児童書部門、ビスト最優秀児童図書賞受賞。2005年度英国児童文学最高の収穫。


著者 ケイト・トンプソン
1956年、イギリス、ヨークシャー地方ハリファックス生まれ。1981年アイルランドに移り住み。現在ゴールウェイ近郊のキンバラに在住。1994年にアイルランドで処女作Switcher を刊行。以降年一冊のペースで刊行を続ける。The Beguiler(2001)、The Alchemist's Apprentice (2002)、 Annan Water(2004)、そして今回のThe New Policeman(2005)とビスト最優秀児童図書賞受賞(アイルランドの優れた児童文学に与えられる賞)を連続して受賞。The New Policeman(2005)ではじめてイギリスのビッグタイトル、ガーディアン賞、ウィットブレッド賞を受賞した。

訳者 渡辺庸子(わたなべ・ようこ)
法政大学(通信課程)日本文学科卒業。訳書にウッディング『ポイズン』(創元ブックランド)『魔物を狩る少年』、アンブローズ『幻のハリウッド』ジャクスン『たたり』(以上創元推理文庫)、ペティヴィッチ『謀殺の星条旗』などがある。

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■ 第10回配本(2006年9月刊)

『レオンとポテトチップ選手権』〈上・下〉
 アレン・カーズワイル/大島豊訳
  四六判上製/定価上下各1890円

レオンとポテトチップ選手権上 レオンは小学5年生になった。自宅の1つ星ホテルに泊まる凶暴な犬や羊を散歩させるなど、忙しい日々を送り、今ではポテトチップの収集を趣味にしている。
休み中に全力で縫った魔法の人形でいじめっ子をこらしめるつもりの新学期早々だったが、失敗して逆に痛い目に遭ってしまう。いったんは諦めたレオンと親友のP・Wとリリイ=マティス。
一方、新しい理科の先生の授業は、大好きなポテトチップを研究する、と〜っても個性的なものだった。おまけにそこにはいじめっこをこらしめる“魔法の人形遣い”成功へのヒントがたくさん詰まっていた!

面白くてためになる、マジカルな傑作!

レオンとポテトチップ選手権下 “魔法の人形遣い”成功のために、ポテトチップ選手権の優勝賞金を手に入れようとするレオン。なかでもポテチの銘柄あてが難関だが、理科の先生と2人の親友の協力で、科学的分析法を究めていく。
だが、そんな頼りになる先生は、ポテチの授業が一部の親の不評をかい、失業のピンチに立たされていた。先生とポテチの素晴らしさを科学フェアで証明したいレオンたち。選手権と“人形遣い”の成否は、先生の運命は――。

大人気の3部作、待望の第2作!




著者 アレン・カーズワイル
アメリカとヨーロッパで育ち、フリーランスのジャーナリストとして10年の経験を積んだのち小説家となる。1992年に『驚異の発明家(エンヂニア)の形見函』でデビュー。ドイツ、フランス、ロシアなど12カ国で出版され、国内外の批評家の絶賛を浴びる。グランタ誌の「アメリカでもっとも有望な若手作家」に選ばれ、アイリッシュタイムズ文学賞、メディシス賞などの候補となった。ニューヨーク公立図書館の研究員として過ごした経験をいかし『形見函と王妃の時計』(2001年)を執筆後、本書の前作となる初の児童書『レオンと魔法の人形遣い』を刊行。現在はレオン3部作の最終巻を執筆中。ロードアイランド州プロヴィデンス在住。

訳者 大島豊(おおしま・ゆたか)
1955年生まれ。上智大学外国語学部卒業。訳書にアレン・カーズワイル『レオンと魔法の人形遣い』『驚異の発明家(エンヂニア)の形見函』『形見函と王妃の時計』、キム・スタンリー・ロビンスン『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』、マイケル・スレイド『グール』『ヘッドハンター』(以上、東京創元社)アショーカ・K・バンカー『蒼の皇子 ラーマヤーナ』(ポプラ社)、イアン・ワトスン『オルガスマシン』(コアマガジン)、著書に『アイリッシュ・ミュージックの森』(青弓社)など多数。

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■ 第9回配本(2006年7月刊)

『ダークホルムの闇の君』〈上・下〉【単行本版】
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/浅羽莢子訳
  四六判上製/定価上下各1890円

ダークホルムの闇の君上 いまや魔法世界はめちゃくちゃだった。
別世界の資本家チェズニー氏が送りこんでくる観光ツアーのせいで町も畑も荒れ果て、諸国の財政もすっからかん。魔術師大学の総長ケリーダのもとには、魔術師、吟遊詩人、傭兵、はてはエルフや龍までもが、口々に不満をうったえてくる。
世界をチェズニー氏から救わなくては……でも、どうやって? 
困り果てたケリーダたちに神託が示したのは、魔術大学のもと落ちこぼれで変わり者の魔術師ダーク。

ダークホルムの闇の君下ダークホルムに住んでいるのは、魔術師ダークと妻マーラ、長女で吟遊詩人志望のショーナ、長男で魔術師志望のブレイド、そしてキッド、カレット、リダ、ドン、エルダの5人のグリフィンの子どもたち。父親ダークが別世界からの観光ツアーのために〈闇の君〉役をわりふられたからさあ大変。
美人で有能な魔女、妻マーラとの仲はこじれてくるし、お金もないのにやることだけは山積みとくる。
おまけに怪しい魔物やら、頭のおかしい龍やらが乱入して事態はどんどんひどくなるばかり……
一男一女、五グリフィンの子どもたちをも巻き込んでてんやわんやの大騒動。はたして魔法世界の運命は?

ミソピーイク賞受賞の傑作ファンタジー。〈ダークホルム二部作〉第一弾。


著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。
3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表しつづけている。 『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。
日本で翻訳されている作品としては、他に、『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』上下『バビロンまでは何マイル』上下(以上創元ブックランド)『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』『呪文の織り手』『呪文の織り手』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。

訳者 浅羽莢子(あさば・さやこ)
東京大学文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『ダークホルムの闇の君』『グリフィンの年』、マーヴィン・ピーク《ゴーメンガースト三部作》など多数。

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■ 第8回配本(2006年4月刊)

『ミシシッピがくれたもの』
 リチャード・ペック/斎藤倫子訳
  四六判上製/定価1785円

ミシシッピがくれたもの ミシシッピ川のほとりの小さな町に住むティリーおばあちゃんは、少女時代、母親と、双子のきょうだいノア、幽霊が見える妹キャスとの4人で暮らしていた。
ある晩、大都会ニューオーリンズから2人の謎の少女デルフィーンとカリンダがやってきて、生活は一変する。きらきらした日々が続くなか、双子の16歳の誕生日の前日、ノアは南北戦争に行ってしまった。ノアを連れ戻すため、ティリーはデルフィーンとともに、生まれて初めて町を出る――。

『シカゴよりこわい町』『シカゴより好きな町』の著者、ニューベリー賞作家リチャード・ペックが贈る、心揺さぶる話題作。



著者 リチャード・ペック
1934年、イリノイ州中部のディケーターで生まれ育つ。中学校教師を経て筆をとり、これまで30冊以上もの作品を執筆。2001年には児童文学作家初となる〈米国人文科学勲章〉を授与された。『シカゴよりこわい町』(第49回産経児童出版文化賞〈賞〉受賞)でニューベリー賞オナーに選ばれ、『シカゴより好きな町』で2001年のニューべリー賞を受賞するなど数々の児童文学賞を受賞、本書『ミシシッピがくれたもの』もスコット・オデール賞をはじめとする多くの賞に輝いている。

訳者 斎藤倫子(さいとう・みちこ)
1954年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。主な訳書にリチャード・ペック『シカゴよりこわい町』『シカゴより好きな町』、ヴァンデ・ヴェルデ『六つのルンペルシュティルツキン物語』(以上、東京創元社)、B・ウィリアムズ『赤いカヌーにのって』(あすなろ書房)、ブラスウェイト『ほたる島物語』(ポプラ社)、ライラント『メイおばちゃんの庭』(あかね書房) 等がある。

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■ 第7回配本(2006年3月刊)

『バビロンまでは何マイル』〈上・下〉
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/原島文世訳
  四六判上製/定価上下各2100円

バビロンまでは何マイル上 地球出身の最下級魔法管理官(マジド)ルパート・ヴェナブルズは、内心うめき声をあげた。前ユーゴと北アイルランドの平和のために奔走して帰ったばかりだというのに、今度は担当世界のひとつコリフォニック帝国の非公式の法廷への立ち会いだ。
いやなことは重なるもので、家に戻った途端、マジドの師スタンが死にかけているという。スタンが死ぬとルパートは候補者名簿のなかから、新しいマジドを選ばなければならない。 おまけに、コリフォニック帝国では、皇帝以下ほとんどの高官、妃、魔術師がまとめて暗殺され、肝心の後継者がどこにいるのか誰も知らないらしい。

てんやわんやのコリフォニック帝国と、地球での新人マジド選び、ふたつの世界での難題を同時に抱え込んだルパートの運命やいかに?

英国ファンタジーの女王が贈るとびきり愉快な物語。『花の魔法、白のドラゴン』前日譚。

バビロンまでは何マイル下 新人マジド選びは難航を極めた。力の交点がある街に候補者を一個所に集める術を施したのはいいが、そこはなんとファンタジーの大会のまっただ中。おまけに候補者たちはみなひと癖ある人物ばかり。あろうことか、いったん候補から外したはずのとんでもない女の子マリーまでなぜか現れて……

一方、コリフォニック帝国の帝位継承者捜しも一筋縄ではいかない。苦労の末にやっと居場所を突き止めたと思いきや、途端に邪魔が入る始末。
幽霊となったスタンの助けを借りて孤軍奮闘する下級マジドのルパート。鍵をにぎるのはマジドの極秘事項のひとつバビロン。

有名な童謡(マザーグース)「バビロンまでは何マイル」の歌にのせて贈る、にぎやかなファンタジー。


著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。
3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表しつづけている。 『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。
日本で翻訳されている作品としては、他に、『ダークホルムの闇の君』『グリフィンの年』『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。

訳者 原島文世(はらしま・ふみよ)
群馬県生まれ。英米文学翻訳家。主な訳書にダイアナ・ウィン・ジョーンズ『星空から来た犬』(早川書房)、『ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド』(東洋書林)、ジュリエット・マッケナ『盗賊の危険な賭』(中央公論新社)などがある。

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■ 第6回配本(2006年2月刊)

『闇の月』―ファイアブリンガー2―
 メレディス・アン・ピアス/谷泰子訳
  四六判上製/定価2940円

闇の月 夏はユニコーンたちの恋の季節。連れ合いのいない若い戦士たちは、夏至から秋分までを夏の海の浜辺で過ごし相手を探す。秋分を前に若き王子ジャンは、癒師の娘、桜色と黒の毛の戦士テックと契りを交わした。ふたりは連れ合いになり、いつまでも寄り添って生きてゆくのだ。だが幸せもつかのま、一行はグリフィンの襲撃にあう。ジャンの機知で皆は助かったものの、おとりとなってグリフィンをおびき寄せたジャンは海に流されてしまう。
必死の捜索にもかかわらずジャンはみつからない。誓いあったばかりの連れ合いをうしない悲嘆に暮れるテックに、王コーアの激しい怒りが追い打ちをかける。
一方海に落ちたジャンは記憶を失い遠い岸辺に打ち上げられていた。そこで彼が出会ったのは器用な前足をもち、自在に火をつくりだし操る二本足の生き物……。

ジャンとテックにふりかかる試練。一族を率いる王子を失ったユニコーンたちの運命は? シリーズ第二弾!


著者 メレディス・アン・ピアス
1958年ワシントン州シアトルに生まれる。ワシントン、カリフォルニア、イリノイ、テキサスなどの州を転々としたのち現在はフロリダ州在住。フロリダ大学で英語と創作の修士号と取得。23歳で書いた処女作 Darkangel(1982 邦題『ダークエンジェル』井辻朱美訳・早川書房刊)が評判をとる。代表作は『炎をもたらすもの』『闇の月』(本書)、『夏の星の子』(仮題、2006年東京創元社より刊行予定)の〈ファイアブリンガー三部作〉の他、The Darkangel Trilogy、Treasure at the Heart of the Tanglewoodなど。趣味は作曲、各種の竪琴をつま弾くこと。

訳者 谷泰子(たに・やすこ)
和歌山県生まれ。 1987年、大阪大学文学部卒業。英米文学翻訳家。訳書に『炎をもたらすもの』

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■ 第5回配本(2006年1月刊)

『レオンと魔法の人形遣い』〈上・下〉
 アレン・カーズワイル/大島豊訳
  四六判上製/定価上下各1785円

レオンと魔法の人形遣い上 舞台はニューヨークのマンハッタン。どんなペットも人間も宿泊できる動物園めいた1つ星のホテルに住むレオンは小学4年生。タクシー運転手の出身国コレクターでポテトチップの味ききの名手だ。
そんなレオンが通うクラシック学園は、中世からの伝統に則り、指先の器用さを何より重んじる学校。授業の課題として出されたぬいぐるみが上手に縫えず、なんとレオンは留年の大ピンチ。
だが、まったくの偶然から魔法の力を手に入れたことで……

友情、勇気、ユーモアあふれる少年少女の面白学園ファンタジー三部作開幕!

レオンと魔法の人形遣い下 レオンと親友たち、体操の名手リリィ・マティスとものの組み立てが得意なP・Wの三人は力を合わせて、闇に消えた縫いぐるみの行方を追い始めた。
魔法の力を駆使して「人間カタパルト」を計画する。一方、学校の食堂では食べ物合戦が勃発。レオンはライバルのいじめっことドッジボールで対決する。

くせになる面白さ、ドキドキの中世モダン学園サバイバル。





著者 アレン・カーズワイル
アメリカとヨーロッパで育ち、フリーランスのジャーナリストとして10年の経験を積んだのち小説家となる。1992年に『驚異の発明家(エンヂニア)の形見函』でデビュー。ドイツ、フランス、ロシアなど12カ国で出版され、国内外の批評家の絶賛を浴びる。グランタ誌の「アメリカでもっとも有望な若手作家」に選ばれ、アイリッシュタイムズ文学賞、メディシス賞などの候補となった。ニューヨーク公立図書館の研究員として過ごした経験をいかし『形見函と王妃の時計』(2001年)を執筆。現在はロードアイランド州プロヴィデンス在住。

訳者 大島豊(おおしま・ゆたか)
1955年生まれ。上智大学外国語学部卒業。訳書にアレン・カーズワイル『驚異の発明家(エンヂニア)の形見函』『形見函と王妃の時計』、キム・スタンリー・ロビンスン『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』、マイケル・スレイド『グール』『ヘッドハンター』、著書に『アイリッシュ・ミュージックの森』(青弓社)など多数。

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■ 第4回配本(2005年11月刊)

『ポイズン』〈上・下〉
 クリス・ウッディング/渡辺庸子訳
  四六判上製/定価上1995円・下1890円

ポイズン上 ポイズンは、〈黒の湿地帯〉に浮かぶガル村の少女。父と継母と妹の4人で暮らしていた。ある日不気味な怪物スケアクロウが幼い妹をさらった。かわりに残されたのは妖精の取替え子。ポイズンは妖精王から妹を取り戻すべく、精霊獲りの男を旅の仲間に、住み慣れた村を出発する。
崖の上に建つ街シールドタウン、妖精界への入口を知っているという謎の男、そして渡りの場の番人骨食い魔女。ポイズンの行く手に次々現れる不思議と危険。持ち前の負けん気と機知でそれらを克服した彼女はようやく妖精王のもとにたどり着く。
だが、それはまだ冒険のほんの始まりにすぎなかった!

奇妙で怖くて美しい世界を舞台に描く、紫の瞳の少女ポイズンの不思議な物語。

ポイズン下 やっとの思いでたどり着いた妖精界。だがそこでポイズンを待ち受けていたのは、人間を虫けらのように見下し嫌悪する妖精王だった。
妹を返してほしければ“蜘蛛の女王”から短剣を盗んでこい。それが妖精王の出した条件。仕方なく精霊獲りのブラム、骨食い魔女の元から助け出した少女ペパーコーンと猫のアンダーセンと共に、ポイズンは蜘蛛の世界に。頼みの綱は、自分自身の機知と、絶対に信用できない妖精王がくれた魔法の球だけ。

美しく邪悪な妖精王、不気味な蜘蛛の巣城の女主人、半人半妖精の秘書官、不思議で恐ろしい各国の君主たち、そして謎の人物〈導師〉。妖しい世界に飛び込んだポイズンたち一行の運命は? 果たしてポイズンは無事妹を取り戻して帰ることができるのか?


著者 クリス・ウッディング
1977年イングランド、レスター生まれ。C・S・ルイスやトールキン、オースン・スコット・カード、テリー・ブルックス等のSF作家やホラー作家に夢中になり、十六歳で小説を書き始める。シェフィールド大学在学中(専攻は英文学)十九歳で書いた第一長篇 Crashing が認められ、デビューを飾る。二十一歳でフルタイム作家となり、以降、かなりのペースで作品を発表し続けている。  現在はロンドンに在住。日本のアニメも大好きで、また、複数のバンドに所属して演奏したりもする。 著作に『魔物を狩る少年』(創元推理文庫)あり。

訳者 渡辺庸子(わたなべ・ようこ)
法政大学(通信課程)日本文学科卒業。訳書にウッディング『魔物を狩る少年』、アンブローズ『幻のハリウッド』ジャクスン『たたり』、ペティヴィッチ『謀殺の星条旗』などがある。

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■ 第3回配本(2005年7月刊)

『炎をもたらすもの』―ファイアブリンガー1―
 メレディス・アン・ピアス/谷泰子訳
  四六判上製/定価1995円

炎をもたらすもの 四百年もの昔、ユニコーン一族は故郷である聖なる丘を奪われ、さすらいの末にたどりついた「谷」を、新たな住処と定めた。その日以来彼らは王子を中心に戦士の輪をつくり、いつの日か自分たちを故郷へ連れ戻してくれる予言の英雄〈ファイアブリンガー〉(炎をもたらすもの)の出現をひたすら待ち続けてきたのだ……。
だが一族を率いる王子コーアの息子ジャンは、とんだ落ちこぼれ、悪戯はする、掟は破るの問題児だった。

ユニコーン、グリフォン、パン、ドラゴンそしてワイヴァーン、幻獣たちの世界を舞台に、ユニコーン王子の成長と冒険を豊かな想像力で描くファンタジー三部作開幕!


著者 メレディス・アン・ピアス
1958年ワシントン州シアトルに生まれる。ワシントン、カリフォルニア、イリノイ、テキサスなどの州を転々としたのち現在はフロリダ州在住。フロリダ大学で英語と創作の修士号と取得。23歳で書いた処女作 Darkangel(1982 邦題『ダークエンジェル』井辻朱美訳・早川書房刊)が評判をとる。代表作はこのBirth of the Firebringer(『炎をもたらすもの』本書)、Dark Moon(『闇の月』2006年東京創元社より刊行)、The Son of Summer Stars (東京創元社より刊行予定)の〈ファイアブリンガー三部作〉の他、The Darkangel Trilogy、Treasure at the Heart of the Tanglewoodなど。趣味は作曲、各種の竪琴をつま弾くこと。

訳者 谷泰子(たに・やすこ)
和歌山県生まれ。 1987年、大阪大学文学部卒業。英米文学翻訳家。

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■ 第2回配本(2005年2月刊)

『六つのルンペルシュティルツキン物語』
 ヴィヴィアン・ヴァンデ・ヴェルデ/斎藤倫子訳
  四六判上製/定価1575円

六つのルンペルシュティルツキン物語 「うちの娘は藁から金糸を紡ぐことができます」
父親のそんな言葉が耳に入り、粉屋の娘は窮地に陥った。紡がねば命がない。だが、できっこない――。
そこで小人のルンペルシュティルツキンが登場し、助ける“代わりに”を要求するのがグリム童話の物語。
さて、本書では――?

トロルにエルフ、魔女に兵隊が大活躍、娘は王妃に? 赤ん坊の運命やいかに!

六つの物語が奏でる、チャーミングでモダンなおとぎ話!



著者 ヴィヴィアン・ヴァンデ・ヴェルデ
1951年生まれ。1985年の処女作 A Hidden Magic 以来、児童・ヤングアダルト向けファンタジーを数多く発表。エドガー賞(ヤングアダルト部門)をはじめ数々の児童文学賞を受賞したほか、アメリカ図書館協議会等の推薦図書に選定され、高い評価を得ている。待望の初翻訳書である本書は、児童書評誌が最優秀作品に贈るブルーリボン賞を受賞。現在は、ニューヨーク州ロチェスターで、夫、娘とともに暮らしている。

訳者 斎藤倫子(さいとう・みちこ)
1954年、東京生まれ。国際基督教大学卒業。主な訳書にリチャード・ペック『シカゴよりこわい町』『シカゴより好きな町』(以上東京創元社)、アン・ロレンス『ロバになったトム』(徳間書店)、ベラ・B・ウィリアムズ『赤いカヌーにのって』(あすなろ書房)、シンシア・ライラント『メイおばちゃの庭』(あかね書房)等がある。

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■ 第1回配本(2004年11月刊)

第1回配本では、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの傑作2点を、読みやすい、大きな活字のハードカバー版で贈ります。

『わたしが幽霊だった時』【単行本版】
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/浅羽莢子訳
  四六判上製/定価1995円

わたしが幽霊だった時 ふと気がついたら、あたし、幽霊になってた! 頭がぼやけててなにも思い出せない。宙に浮きながら家にかえってみると、だいっきらいな姉さんや妹たちは相変わらずけんかしてる。でも、おかしい、あたしどうして幽霊になっちゃったんだろう? それに、あたしはほんとうは4人姉妹のうち誰なんだろう?

幽霊となった少女は自分がいることを姉妹たちに気づかせようとやっきになる。そしてついに奇人変人ぞろい、個性ゆたかな4人の姉妹がひとつにまとまり、一丸となってこの前代未聞の事態にたちむかう。

7年の時空を行き来して自分自身をさがしもとめる少女(幽霊)の大冒険。


『九年目の魔法』〈上・下〉【単行本版】
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/浅羽莢子訳
  四六判上装/定価各1785円

九年目の魔法・上 なにか、おかしい。壁にかかった懐かしい『火と毒人参』というこの写真も、愛読したベッドの上のこの本も、覚えてるのとは違ってる。まるで記憶が二重になってるみたい。

そう、ことの起こりはたしか10歳のとき。初めてお祖母ちゃんの家に預けられたときのこと。ハロウィーンだっていうのに、近くのお屋敷でお葬式があって、その席に迷い込んでしまったんだ。そこで出会ったのがリンさん。ひょろっとした背の高い男の人。ずっと年上なのになぜか仲よくなって、それから……それから何かとても恐ろしいことが起こりはじめた。

失われた時を求める少女の愛と成長をつづる現代の魔法譚。

九年目の魔法・下 なぜリンさんのことを忘れてしまったんだろう? お祖母ちゃんに訊いても、親友だったはずのニーナに訊いても、誰も憶えていない。

あのころポーリィが好きだったのは、自分じゃない何かのつもりになるごっこ遊び。お葬式で出会ったばかりのリンさんは英雄タン・クール。でも普段は雑貨屋さん。ポーリィ自身は英雄助手。リンさんとポーリィは手紙をやりとりして、自分たちの秘密の物語をふくらませていった。でも、二人の想像のなかで英雄が住んでいた場所は本当にあった! しかもそこには雑貨屋さんがあり、二人の物語の他の登場人物たちまで実在していた?

ジブリ映画最新作『ハウルの動く城』原作者、英国を代表するファンタジー作家の傑作。

著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年ロンドンに生まれ、オックスフォード大学で学ぶ。
3人の子どもを育ててから本格的な執筆活動を開始、以来コンスタントに作品を発表しつづけている。 『魔女と暮らせば』(徳間書店)でガーディアン賞を受賞。現代のイギリスを代表するファンタジー作家として高い評価を受けている。
日本で翻訳されている作品としては、他に、『ダークホルムの闇の君』『グリフィンの年』『詩人(うたびと)たちの旅』『聖なる島々へ』(以上創元推理文庫)、『魔法使いハウルと火の悪魔』『魔法使いはだれだ』(以上徳間書店)などがある。

訳者 浅羽莢子(あさば・さやこ)
東京大学文学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』『ダークホルムの闇の君』『グリフィンの年』、マーヴィン・ピーク《ゴーメンガースト三部作》など多数。

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